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2010年4月30日金曜日

善人と悪人(REMIX) (mixi05-u459989-201004301253)

ミクシ内で書かれた旧おかあつ日記を紹介します。
善人と悪人(REMIX)
2010年04月30日12:53
─── 善人と悪人のどちらが害が大きいか。 僕は思うのだけど、善人の方がずっと害が大きい。 悪人が問題を起こした場合力任せに思い切り叩きのめしてしまえばよいので簡単だ。 善人が問題を起こした場合はそうはいかない。

だから悪人と一緒に居ることを覚えなければいけない。

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─── 善人が問題を起こした場合は、普通に言葉で説明すればよいのでは?

そうですね。 この「言葉で説明する」ということは、実は容易ではないのかもしれません。 これが具体的にどういうことなのか、小説風にまとめてみました。



相手が善人だった場合 ──────

「みて!これ、買っちゃった!」
「へー... どこで買ってきたの?」
「○○の安売りで。」
「いくらしたの?」
「200万」
「...それ、普通5万ぐらいでドンキホーテとかで売ってない?」
「そうなの? でも何かお得だって書いてあったから。」
「お得じゃなくない?」
「そんなことないわよ」
「で、そのお金どっから持ってきたの?」
「あら、この間もらったお金で払ったわよ」
「って、それ、この間渡した生活費じゃないの?」
「そうよ。」
「...ふーん。 で、これから一年、どうやって生活してくの?」
「わからない。」
「わからないって、明日からご飯どうやって買っていけばいいの?」
「助けてくれないの?」
「...お金ってねぇ、そんなに簡単に手に入らないんだよ。」
「そうなの?」
「お金が無くなったら死ぬことだってあるんだよ。」
「またぁ! そんな大げさな事を言って、おどかそうと思ってぇ!」
「...いや、大げさで言ってるんじゃないんだよ。」
「その買った物、じゃぁお店に返してこようか」
「えぇ!でも、もう封開けちゃったもの。」
「でも、そうだんしてみよう。」
「わかった。」

(数日後)

「お店行ってきた?」
「行ってきたわよ」
「何ていってた?」
「お店開いてなかった。」
「じゃ、また今度見てきてね。」

(数日後)

「お店行ってきた?」
「行ってきたわよ」
「何ていってた?」
「お店開いてなかった。」
「じゃ、また今度見てきてね。」

(数日後)

「お店行ってきた?」
「行ってきたわよ」
「何ていってた?」
「お店開いてなかった。」
「開いてないってこと、無いでしょ! 時間だって早いし。」
「実は○子が具合悪くなっちゃってずうっと面倒見ていたので行ってないの」
「あぁそう。じゃぁ仕方ないね。次ちゃんと行ってきてね」

(数日後)

「お店行ってきた?」
「まだ」
「なんで?」
「実はこないだから裏で仕事をお願いされて、忙しくて。」
「ふーん。 それ、いくらで頼まれたの?いくらもらえるの?」
「いや、お金は取れないわ。」
「...... で、お店にはいついくの?」
「明日行ってくる。」

(数日後)

「お店行ってきた?」
「まだ」
「.........何で?」
「いや、ちょっと腰が痛くなっちゃって。」
「...あのねぇ、○子、こないだ見てきたけど、ピンピンしてたよ!」
「私が看病したから。」
「いや、そういう問題じゃなくて、病気なんかじゃなかったよ!」
「...、何であなたはいつもお金の事ばかり言って人のことはまったく考えないの? それでどうやって生きていくのよ!」
「...だからいつもお金持ってきてるじゃないかよ!」
「あなたはいつもそうやってお金、お金...って」
「...もういい! 僕が直接店にいく! どこ?その店。」

(数日後)

「こんにちわー! 」
「あぁいらっしゃいませ!」
「この間だウチの○○がお世話になりまして...」
「あぁお買い上げ、誠にありがとうございます!で、どうしましたか?」
「正直言ってね、何だか、ウチの○○が買ったもの、値段も妙に高いですし、一体どうなってるのかと思いまして」
「どの商品でしたっけ...」
「えぇと...(店を見回す)... あぁちょうどあんなヤツ」
「あぁこの商品なら、3万円になります。」
「..................っ。 あ、そうですか。」
「お買い得になっております!」
「...ということは、200万円なんてこと、無いですよね。」
「またぁ!ある訳無いじゃないですか! そんな値段じゃ誰も買いませんよ。」
「そうですよね... どうもありがとうございます。」
「あ、もうよろしいんですか?」
「いいんです。すみませんでした。」

(数日後)

「お店行ってきたよ」
「あら、そう。」
「200万円なんてしなかったよ。」
「そう。」
「お金、どうしたの?」
「... 田舎暮らしもお金がたくさんかかるのよ! 醤油を買ったり、砂糖を買ったり...」
「.......あのねぇ、醤油を1000リットル買って、砂糖を10トン買ってもね、200万は無くならないよ。何に使ったの?」
「...実は隣村の△△さんの娘さんが放蕩者でねぇ...」
「あ、そう」
「...娘さん、だんなが仕送りしてくれたお金をみんなバクチで使っちゃって家族にまったく渡さないの」
「...あ、そう」
「だから、実は△△さんに貸してあげたの。でも、これは返してもらえるお金だから、無駄遣いじゃないのよ。」
「....................................................................................... あのねぇ、僕ねぇ、この村に居て、お金を貸して返してもらったって言う話、一度も聞いたこと無いよ。」
「そんなことないわよ、△△さんはいい人だから必ず返してくれるわ。」

(数日後、街にて)

「□さん、こないだの仕事の料金、ちょっと前倒しで払ってもらえない?」
「いや、こっちも最近不景気でさぁ...中々入ってこないのよ」
「そこを何とか... こないだレアモノのカセット買ってあげたじゃん」
「... あれはありがとう...だけど今マジキツイのよね。」
「そこを何とか...次借りは返すから...」
「払ってあげたいけど、今、無いものはないのよね...すまん、○君」

...

「××さん、改まってお願いがあるんです。」
「...何だい?」
「こないだから仕事してもう給料もらっちゃったけど、またこれからも仕事して行きますんで、給料前借りお願い出来ないでしょうか...」
「...あんたねぇ! この不景気で そんなポンポン貸せる人間なんて居ると思ってんの?」
「大変恐縮です...そこを何とか...」
「ムリムリ、大体、あんた遅刻何回してんのよ、そんな勤務態度じゃこっちだってね」
「遅刻って言ったって、それ ××さんの奥さんに酔いつぶれた×さんを届けたりしたからじゃないですか!」
「覚えとらん! 何でそうやって人のせいにするのか!」
「すみません、遅刻をした僕が悪かったです。 口答えしてすみません。」
「ダメなもんはダメだ!」
「そこを何とか...」
「ダメダメ! ... トゥルルル(突然携帯) ...もしもし...あ! プリビェーット!電話有難う!(突然赤ちゃん言葉で) さて ナターリヤ チャン、今日はどこへいこうか? 寿司? 焼肉?...」
「じゃ、帰ります。」

...

「いらっしゃいませ! 高利貸しのマルツブレです!」
「すみません、お金貸してほしいんですけど」
「保証人はいかがなされますか?」
「いないです」
「大変申し訳無いのですが、当店は保証人が無いお客様はお断りしております」

...

「ねぇお金もうちょっと待ってくれない?」
「いいわよ」
「ねぇ、ところで口臭くない?」
「そんなこと、無いわよ」
「歯みがいた?」
「みがいたわよ」
「みがいてないよ絶対... だって歯磨き粉切れてるじゃん」
「あるわよ」
「ないじゃん...つか歯磨き粉買うお金すら持ってないの?」
「ウチは貧乏だから...」
「貧乏なら何で他人に金貸すんだよ」
「ところで、こんど、○の支払いで50万円必要なんだけど...」
「今、金探してるところだから。」
「○日までに支払わないと、差し押さえられちゃうの。」
「大体、○の支払いだって、何で俺がはらわらきゃいけないんだよ! ##が勝手に作った借金だろ?」
「そんなこといったって、お金が無いっていえば放っておくこと出来ないじゃないの...」
「俺はどうなのよ?」
「あなたも大切」
「あのな、俺が街でどれだけ苦労してるか、わかってるの?」
「わかってるわ。」

「.... わかってないだろが! いいかげんにしろ! 街っつぅのはな! 金が無くなりゃ死ぬことだってあるんだ! 田舎とはちげぇんだよ! 俺が村中救ってあるくハメになってんじゃねぇか! 俺だって人生あるんだよ!」
「 何でそうやって大きな声だすの? 何でそうやってすぐ怒るのよ。 そんなに怒りっぽかったら、人生やっていけないわよ?」
「お前が俺を怒らせてるんじゃねぇか!」
「あたしは、何も悪いことをしてないもの、あたしだって何が悪いのかわかりたいけど、何が悪いのかわからないんだもの」
「お金を使いすぎてるんだよ!」
「お金は使ってないわよ、どれもこれも、貸したお金だから、必ず返ってくるわ」
「返ってこなかったらどうすんだよ、死ぬか?」
「必ず返ってくるわ」
「だから返ってこなかったらどうすんだよ!」
「返ってくるから」
「わかった、俺がもう一度、どうにかする」
...

(こうして無理してお金を工面してお金を払ってあげた。 そして数日後)

「ねぇ、なんか家がひとまわり大きくなったね。」
「でしょ!? あたしも、気に入ってるのよ」
「...ふーん。 で、このお金、どうしたの?」
「実はね、△△さんがお金を返してくれたの!」

=====================================

もし相手が悪人だったら ──────

「みて!これ、買っちゃった!」
「... ドグォッ!」

コメント一覧
這いよる謎の犬ピース   2010年04月30日 13:01
お金は、貸してあげた人が一番善人になってしまいますね。。
ベイジル   2010年04月30日 13:56
善人の定義が違ったのですね。わかりました。

私もイギリスで、よくその場限りの嘘をつく人に会ったことがあります。
上の文例に、よく似ています。
どうして、ああいう風になっちゃうんでしょうね。
あまり厳しく躾過ぎると、嘘をつくようになると読んだことがあるのですが、
それだけじゃないような気もします。
おかあつ   2010年04月30日 14:10
> どうして、ああいう風になっちゃうんでしょうね。

そもそも、善悪というのが矛盾した概念だからだと思います。
誰かによい顔をしたら、その分誰かに悪い顔をしないといけない訳で。

全部によい顔をするためには、どれかを嘘にしないといけない訳で。
おかあつ   2010年04月30日 14:13
>上の文例に、よく似ています。

ひとつだけ違うのは、多分イギリスのその人は全部自分に利する為にやっていたんじゃないかと思うのですが、上では、全部他人の為に嘘をついていることです。

あび   2010年04月30日 14:30
それ本当に善人か?単に金づるとしてタカられてるだけだろ?って思うな。フツーは。。。。まあ、悪意は無いのかもしれないが、結果としては、金づるとしてタカられてるのと何ら変わらない。もう少しソフトな語彙で表現するなら、「あなたに甘えている」、もう少し汚い言葉で表現するなら「ナメられている」あなたの人生の肥やしになるものは、もうそこには無いと思う。もう「異文化を学ぶ」という事に関しては、充分過ぎる程の授業料を払っただろ。そのオンナがどんだけベッピンさんか知らんけど、悪いことは言わないから、さっさとタイからは手を引いて、オンナもオンナの家族も捨てて、日本に帰国するか、新天地へ移って、自分の人生で成すべき事に集中した方が良いと思う。投資したカネを回収してからタイを去ろうとか考えるな。もはやその時間が無駄だ。人間の命は、君がやろうとしている事に比べると短いぞ。それに、モタモタしていると、おかあつ以外の誰かが、もっと素晴らしいアイデアを世の中に発表して、君のアイデアが無意味になってしまうかもしれない。以上。一部、汚い語彙での表現をあえて選んだ。あかあつ氏を傷つける事が目的では無い。不快に感じるかもしれないので、先に謝っておく。本当に申し訳ない。しかし、おかあつの素晴らしいアイデアと才能が、周囲のノイズに邪魔される事を見る度に忍びないと思っているのは本当だ。
おかあつ   2010年04月30日 14:47
> そのオンナがどんだけベッピンさんか知らんけど、悪いことは言わないから、さっさとタイからは手を引いて、オンナもオンナの家族も捨てて、日本に帰国するか、新天地へ移って、自分の人生で成すべき事に集中した方が良いと思う。

このオンナは、実は僕の人生の倍以上生きているので、より女性的にぐっと魅力が増しているというか、ま、そんなワケなんでして。 それに上で書いた主人公は実は男じゃなくて、女なのです。 実は、僕の話じゃないんだよね。


> しかし、おかあつの素晴らしいアイデアと才能が、周囲のノイズに邪魔される事を見る度に忍びないと思っているのは本当だ。

でもね。 ちとヘンかもしれないけど、僕が年がら年中考えている極めて高度に論理的で技術的な事がね、この僕が体験している、極めて不合理で非論理的で非技術的な事とね、極めて深い関連があるって、僕は何故かね、考えてるんだよね。

それを説明するのは無理かもしれないけどね、逆に、その事に気がついていないコンピューター会社っていっぱいあるよね。 その点ね。 そういう見方から言って、実はMSって案外その点に気がついているような気、するのね。

色々な世の中のコンピューター会社がダメダメに見えるのは、技術だけをみてるからなのかもしれんと思う。 技術だけ見ると人が見えないんだな。


会社をうごかしているのは、飽くまでも人間であってね。
ねこ☆ミ。   2010年04月30日 18:16
う~ん。

シンプルに考えるのは文化的背景があるのでルール化するのが無理があるんだけど、無理があるという前提で。

ルール1
 お金を持ってる人の所には、善人が現れて、他の人にお金を分けてしまう。
 お金を分け与えるという行為は、すばらしい善行であるから。
 (ただし、住まい等は、お金としてカウントされない?)

ルール2
 ルール1を実現するために、嘘をついても良い。
 相手の気持ちに配慮して本当の事を言わないのが善人だから。

ルール3
 善人は直ぐにお金を使ってしまう。または、分けてしまう。
 なぜなら、お金を持っているのは良くないことだから(?お金の価値を理解してないから?)

ルール4
 たぶん、お金を持ってる人が善人が来たときにお金を渡さないとと※される。(※は、きっと恐ろしいこと。)

■感想
でも、たぶん、お金を持ってた人が、身ぐるみをはがされて、一文無しになっても、助けてくれないんだろうな、きっと。

で、この例の中では、善人が一番、その文化の因果律を押さえていて、意識してるかはわからないのだが、どう動けば得であるかと言うことを理解して結果として実践してていると思う。

資本主義経済の中でお金を貯めるという行為の裏側には、人生が長く続いて行くっていう感覚や、現在より明日のことを優先して考えるという感覚が背後にあるのだと思う。明日の事を考えないで今日を楽しく生きることに最適化すれば、お金を貯めても仕方がない。よって、そういう行動になる。

そいでもって、自分は、悪人と表現された人が誠実に見える。言行が一致しているから。
おかあつ   2010年04月30日 18:33
ま、大体どこの国でも国に一番いいことをした政治家が一番恨まれるよね。

そういう意味で、善人は日本にこそいるな。
おかあつ   2010年04月30日 18:38
いいカレシとかもそうだよな。

いいオンナとかも。

「いい」っていう言葉には矛盾が内在しているんだよな。

まったくね。
おかあつ   2010年04月30日 18:41
>ま、大体どこの国でも国に一番いいことをした政治家が一番恨まれるよね。

客観的に見て、今、一番国に取って必要な事をしているのは小沢一浪だと思う。

ま、多分、今一番恨まれている人でもある。 悪人ヅラとか言われて。

いいことしているのに恨まれてね。

日本は善人が多いからね。 悪人を力任せにぶっつぶして終わり、と。
風我   2010年04月30日 21:18
アラブの格言に「空腹の人をダメにしたいなら魚料理をふるまい、
その人を助けたいなら魚の釣り方を教えなさい」というのがありますが
小さい頃からお小遣いを自分で管理させる躾をした相手ならともかく
お金はお金の形で人に分け与えるものではないのが鉄則だと思います。

代わりに家賃を一回工面してあげるとか、電気代を払ってあげるとか、
少なくとも「与えた」相手の手に直接渡すものではないと考えます。
従ってこの話では「善人」はひとりも見あたりません。
かつお   2010年05月01日 06:08
横槍ですいませんが、あびさんの意見に同意します。おかあつさんのように、鋭い感覚で外から日本を見れる人が、今の日本には必要だと思います。タイの片田舎で埋もれるのがもったいない。微笑みの裏にあるのは、金だからね。
 
出展 2010年04月30日12:53 『善人と悪人(REMIX)』

著者オカアツシについて


小学生の頃からプログラミングが趣味。都内でジャズギタリストからプログラマに転身。プログラマをやめて、ラオス国境周辺で語学武者修行。12年に渡る辺境での放浪生活から生還し、都内でジャズギタリストとしてリベンジ中 ─── そういう僕が気付いた『言語と音楽』の不思議な関係についてご紹介します。

特技は、即興演奏・作曲家・エッセイスト・言語研究者・コンピュータープログラマ・話せる言語・ラオ語・タイ語(東北イサーン方言)・中国語・英語/使えるシステム/PostgreSQL 15 / React.js / Node.js 等々




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