FLAGS

MENU

NOTICE

2009年5月16日土曜日

(ニュース) 強制いけいけどんどん (mixi05-u459989-200905161312)

ミクシ内で書かれた旧おかあつ日記を紹介します。
(ニュース) 強制いけいけどんどん
2009年05月16日13:12
「長年、研究に没頭してきたポスドクはちょっとした開発を頼まれると、“あれはこうだ”と理屈で対応するから使いづらいのです。」とあった。

思うのだけど理屈で対応する人のほうが本当なら使いやすいはずなのだ。 理屈で対応しない人のほうがずっと使いにくい。 理屈で対応する人は、それ相応の理屈を与えてやれば確実に動く。 それ相応の理屈を与えれば確実に納得する。 理屈で対応しない人はもっと達が悪い。 それ相応の理屈を与えても納得しない。 それが絶対に正しいことだとしても駄々をこねる。 納得するときはもっとたちが悪い。 それが間違っていても納得する。 それが結果的に正しくないと知っていても、かまわず納得する。

ある商品の開発を頼んだとき、もしその商品が実はつくってもある問題が起こることすでに知られており、無意味ということを開発者が知っていたらどうだろう。 それをいわないで素直に商品の開発をするのが望ましい開発者なのだろうか。 それをいわないで一緒に失敗するのがあるべき開発者なのだろうか。 研究者というのは専門家であって、その結果を知っているからこそ研究者なわけである。 経営者としては、研究者とその結果がどうなるのかいろいろ話しあうことができるからこそ、メリットがあるはずではないのか。

もう戦後のように「いけいけ、どんどん」という時代でもなくなってきている。 頭を使わず体を使って、ばりばり働けば、ばりばりお金が入ってくるという時代では、もうない。 スナイパーのように、ほとんど動かず、経路を練りに練ってピンポイントに狙いを絞り、銃弾を一発だけ撃って仕事を終わらせる、というような効率の時代になってきてる。 そのためには、論理的に良く話し合って、よく吟味して仕事をする必要があるはずなのだ。

考えず話し合いをせず「いけいけ、どんどん」の名残を引きずって、頭を使わず体ばかり使って仕事をしているようだと、あっという間に時代に取り残されてしまうだろう。

そんな「いけいけ、どんどん」世代は人口も多く、これから年を取り社会の荷物になりつつある。 荷物になるだけならいざしらず、これから次の時代で若い世代に「いけいけ、どんどん」を押し付け、若い世代が新しい時代を生き抜く邪魔すらしている。 これじゃ日本の将来は暗いのではないか。

=====================================

“博士サマなのに…”なぜ嫌われる?「ポスドク」研究員
http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=838301&media_id=10

「ポスドク」をご存じか。博士号を取得後、大学や公的研究機関で働く人たちのことだ。「ポストドクター」の略である。

 このポスドク人材が民間企業に就職できるよう、文部科学省が雇用経費を計上した。5億円で100人を就職させようという計画だから、1人あたり平均500万円が“支度金”として採用企業に支払われる。対象者は技術系のポスドク研究員で現在、全国に1万6000人いる。

「過去5年間でポスドクをまったく、あるいはほとんど採用してない企業は86.6%に上ります。企業が敬遠する理由は、ポスドクは年齢がいっているので給料などを考えると採用しづらいとか、修士取得者を採用して育成した方が効率的というものです。今回のプランは、彼らの頭脳で民間の技術開発を活性化して欲しいという気持ちで企画しました」(文部科学省科学技術学術政策局)

 ポスドクはなぜ敬遠されるのか。工学博士の秋元格氏が解説する。

「日本の企業が求めているのは、基礎研究より工場などで効率よく製造ができる技術者だから、大卒や修士で十分。長年、研究に没頭してきたポスドクはちょっとした開発を頼まれると、“あれはこうだ”と理屈で対応するから使いづらいのです。また、ポスドクは“本当は大学教授になりたい”“民間で揉まれるのはつらい”と思っているため、採用しても人間関係がうまくいかないことがある。このほか会社のトップが文科系の人の場合、博士号の価値を理解できないため、食わず嫌いしていることもあります」

 カネと時間をかけて大学院を出たのに、能力を十分に生かせないとはもったいない話。息子の大学院進学に待ったをかけたくなる?

(日刊ゲンダイ2009年5月13日掲載)

コメント一覧
見張り猿   2009年05月16日 17:45
はじめまして、ニュースから来ました。

それにしても、博士ネタは仰るとおり、いろいろなものが背景にあるのに、それを高卒vs大卒、一般職vs総合職みたいなレベルで扱ってますからねえ。それが書き手(おそらく博士でもなければ、アカデミックな留学もしたことがない人)の限界なんですが。

人を自分の思い通りに動かす(その人の言うとおりにしないと不利益を受ける)ことを”パワー”と言いますが、その種類はいろいろあって、腕力、権力、金力、人間味、知識などなど。
つまり、博士ネタは、古株低学歴vs新卒高学歴=権力vs知識力という権力闘争なのだと感じています。それが意識して行われていれば良いのですが、無自覚のため妬みとかコミュ力の話題(話せば自分の正しさが証明されるはずだという)に転化しているのだと思っています。

そして、会社という上位下達の世界では上役の意見が正しいということになっていますから、ゲンダイの記事のようなことになってしまいます。これが偏見なのは言うまでもありませんね。

その他、いろいろ書いてみたんですが長ーくなっちゃったんで全部削りました。
おかあつ   2009年05月16日 18:22
>それが書き手(おそらく博士でもなければ、アカデミックな留学もしたことがない人)の限界なんですが。

実は僕は中卒なんです。 でもあちこちの大学にもぐりこんだりしていたので、大卒・院卒の友人は多く、当然ポスドクで苦しんでいる友人もおり、どういう世界なのかはよく知っているほうだと思います。

自分は中卒なので、何の肩書きもないのです。 だから、「あんた院卒? はいはい、じゃいうとおりにするよ」っていうものの対極に居ます。 だから、友達・知り合い・仕事などであう人、ひとりひとりに、自分が何故そう思ったのか、何故そうしなければいけないのか、そうすると何が起こるのかをきちんと説明する必要があります。

僕はプログラマなので、クライアントがやりたいと言っていることの結果どうなるのか、というのを説明する必要があるのですが、どんなにひとつひとつ誰でもわかるように手順を説明しても、ほとんどの人は理解しません。 未知のことを抽象だけで考えてそれがどんなものなのか具体的に想像する、ということに慣れてないので、頭では正しいと思っても、それを信じられないんだと思います。

僕はタイに住んでいるんですが、タイの人は「抽象だけで考える」っていうのがとても苦手な文化だと思います。 タイと比べると日本はずっと抽象性に強く、だからこそ、色々な問題をタイよりもずっとスムーズに解決することが出来るんだと僕は感じます。 だけどアメリカと比べると抽象的なことがらでのコミュニケーション力が低く、どうしても「頭の言い奴=理屈っぽい=扱いづらい」っていう幼稚な偏見から出られないような気がします。

ところで、抽象的に考えるのは苦手なタイですが、多分ですが、未知のことに対する対応力はタイのほうがずっと高いと思います。 何故なのかは僕もよくわかりません。



>その他、いろいろ書いてみたんですが長ーくなっちゃったんで全部削りました。

書かれていること、とても面白いと思いました。
もしよかったら是非書き散らしていってください。
自分の知り合いにはそういう話が好きな人が多いです。

saitoh   2009年05月16日 18:33
ニュースから来ました。
博士号を取る過程で、成果の出ない研究テーマに取り組んでしまっては年限内に学位が取れませんから、当然研究に着手する前に成果の出る可能性と必要な期間/資源とリスクを十分検討するように教授に仕込まれます。

一方、日本の企業は竹槍戦法で何も考えずにまずはつくってみるという馬鹿がまだまだ多い(僕が知ってるのはIT系ですが)。そういう連中がドクターを使いこなせないのを言いわけしているだけに聞こえます。おっしゃる通り、ちゃんとした理屈を突き付ければドクターはちゃんと働くと思います。

これまでの成功体験、つまり欧米の後追いをしていたころは、何も考えなくても既に欧米が成功している/成功しかかっている物を後追いで作るのですから、理屈をこねるよりまず手を動かすという戦法が正しかったのかも知れませんね。
プラスコ   2009年05月16日 20:08
ニュースから会社って言うのはねぇ、理屈で正しくても、失敗を正せても、上司の判断が第一なんじゃい3度上司が失敗し、4度成功した男失礼しました。愚痴でした
カオソーイ   2009年05月16日 22:17
私の高校の同級生で、某東工大の無機材料の教授がいます。
私は理系でないですが、シリコン単結晶の引き上げの基礎特許を持っていたドイツメーカーとの合弁会社に勤務したり、電力会社向けのプラントを単線結線図だけみて必要機器の値段を弾いて入札書類を作ったりした経験があって、その(後の)教授、当時のポストドクターに、シリコン単結晶の引き上げ時には、周波数変動等の微小な電源側の変動が影響するので、もともとは夜間の電源変動の少ない時間帯にやっていたという話をしたら、そんな話は一度も聴いたことが無いといわれてしまいました。

この話は業界では結構有名な話で、韓国の半導体メーカーが日本メーカーに永久に追いつけない根拠として、日本と韓国の電源の精度が違うからと昔はいっていたものでした。
見張り猿   2009年05月16日 23:59
>おかあつさん
 学歴のことで不快な思いをさせたのならごめんなさいm(__)m(ペコリ)
 調子に乗って長いの書きます。

 ゲンダイの言うとおりなら、使える博士というのは、「コミュ力や社会性・協調性があって”なおかつ”専門技術と発想力等の能力があること」になりますね。
 "博士様"をスーパーマンか何かと勘違いしているのでしょう。日本企業は年功序列ですから、年齢が同じなら修士にも博士にも”同じもの”を”当たり前”として求めてしまうのでしょうね。
 全員に同じものを求めるなら、学歴も同じ方が良いのですから、専門バカと知って雇っておきながら、使用するときには皆と同じ様に空気読めよでは、齟齬を来すと。まあ、それを知って、あるいは知らないで就職する博士もウカツだよと。

 ”博士は理屈っぽくて使いにくい”については、
 部下が活躍して、上司共々高評価を得た場合は良いのですが、そうでない場合が問題です。(部下は博士に限りません。)
 仕事の失敗は、それが明確になる以前に個々人に見えてくるわけです。カンの良い人ほど、経験のある人、専門家ほど早く気づくわけです。やっかいなのは、鈍い上司よりも早く気づいてしまう部下でしょう。
 で、部下は問題点を指摘することになるのですが、日本企業では上司や仲間と一緒に苦労することが美徳ですから、そうしない人は高慢チキな奴と映りやすいわけです。
 では、上司が部下の言い分を聞いたとしたらどうでしょう。部下は(専門家として)上司のパワーを奪い取るわけで、(上司は苦々しく思うようになり)、部下の方が上司を立てるように振る舞わなければ、いずれ使いにくい奴というレッテルを貼られてしまうことになります。
 まあ、このあたりは下の本が詳しいです。(ソニーのD博士の本です。名前を伏せてますが、土井常務(だったかな?)、研究所長のことだと思います。)著者の言い分としては、技術者よりも、上司の、人間の器の小ささが問題だと。
http://www.amazon.co.jp/%E4%BA%BA%E6%9D%90%E3%81%AF%E3%80%8C%E4%B8%8D%E8%89%AF-%E3%83%8F%E3%83%9F%E3%83%80%E3%82%B7-%E7%A4%BE%E5%93%A1%E3%80%8D%E3%81%8B%E3%82%89%E3%81%95%E3%81%8C%E3%81%9B%E2%80%95%E7%94%BB%E6%9C%9F%E7%9A%84%E3%83%97%E3%83%AD%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%82%AF%E3%83%88%E6%88%90%E5%8A%9F%E3%81%AE%E5%A5%A5%E7%BE%A9-%E3%83%96%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%83%90%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9-%E5%A4%A9%E5%A4%96/dp/4061327569/ref=sr_1_2?ie=UTF8&s=books&qid=1242482855&sr=1-2

 さらに潜在的な問題としては、こういう言い方をすると総スカンを食いそうですが、日本は学制をヨーロッパから導入したわけですが、日本と違って階級制の社会なんですよね。これを日本人は忘れてる、あるいは知らない。
 研究者は上級中産階級なのに対して、単なる管理職は中級以下の中産階級なのです。しかし研究員も企業では従業員であり、管理職以下の存在なのです。だから、普通に研究者ヅラするだけで(そこに付随する雰囲気によって)、管理職や同僚は普通にイラッとしてしまうわけです。この辺りは博士の方が意識していないといけないとこだと思います。

 ここに加えて、国のポスドク1万人計画というのがあったのです。日本はアメリカに比べてポスドクが少ない、だから増やそうという計画です。産業構造の違いを忘れてるんです。日本は企業が研究を行っているのに対して、アメリカでは大学がそれを主に行っている。しかも日本では準教授以上の数を変えず、ポスドクだけを増やしたのですから、ポスドクが余ってしまうのは、単なる足し算・引き算の問題だったのです。で、実施して、余って、困ったと。。。
 大多数がアブれるのを知ってポスドクに行ったのだから、行かせたのだから自己責任かもしれませんね。極端かもしれませんが、(ポスドクは無職扱いなので)コンビニのレジ打ちから人生やり直してくださいと。(バイトは例えですよ。貶めているわけではありません。私、コンビニでバイトしてました。雇ってくれてありがとう。いい経験になりました。だからお薦めするのです。)それを高学歴なのにもったいないと言うのは、”博士様”と崇めている心がどこかにあるからだと思っています。日本は階級制の社会ではないのですから。

ああ、結局いろんな人に怒りをぶつけてしまった。気を悪くされた方、ごめんなさい。
ねこ☆ミ。   2009年05月18日 01:39
最近、MBAをとりにアメリカに渡ろうとしている若い女性の方を見た。
輝いた目で、「MBAを取るために○×○に行きます!」といっていた。
○×○には、学校名か、州の名前が入るが、覚えていない。

自分は、これを見て、この方は、もう、日本には戻ってこないのではないかと直感した。
なぜなら、日本に戻ってきたとしても、MBAの能力を生かして、しかも高給で働ける職場なんて少ない。日本では経営の意志決定に関わる仕事は、40歳とか50歳の人がやることだし、給料体系も、MBAという理由で特別に多くの給料を支払うことは難しいのではないだろうか?

我思う、日本の企業は、単純作業では生き残れず優秀な頭脳の必要性を切に感じている。そして、なげく、「なぜうちには優秀な人材がいないのだろうか?」。同時に、すべての人が平等に、同質に、同じように、がんばり働くことを求めている。

そんなこんなで、企業自体は頭脳を必要としながら、博士の居場所なんてない気がする。
 
出展 2009年05月16日13:12 『(ニュース) 強制いけいけどんどん』

著者オカアツシについて


小学生の頃からプログラミングが趣味。都内でジャズギタリストからプログラマに転身。プログラマをやめて、ラオス国境周辺で語学武者修行。12年に渡る辺境での放浪生活から生還し、都内でジャズギタリストとしてリベンジ中 ─── そういう僕が気付いた『言語と音楽』の不思議な関係についてご紹介します。

特技は、即興演奏・作曲家・エッセイスト・言語研究者・コンピュータープログラマ・話せる言語・ラオ語・タイ語(東北イサーン方言)・中国語・英語/使えるシステム/PostgreSQL 15 / React.js / Node.js 等々




おかあつ日記メニューバーをリセット


©2022 オカアツシ ALL RIGHT RESERVED