日本超現代史
2008年06月19日16:43
今日、アメリカが、北朝鮮のテロ支援国家指定解除を明言したと新聞にでていた。 これは、もう、多分だけど、日本がアメリカにおんぶにだっこで居られなくなったということを表しているんだと思う。
これは結構洒落にならない大きな変化だと思う。
もともと、北朝鮮はアメリカが作ったようなものだったと思う。 アメリカが北朝鮮に嫌がらせをする事で、わざと北朝鮮と韓国・日本の間を分裂させて緊張を高めて、そこに軍を派遣する口実を作っていたところがあったのだと思う。 それがなくなれば、アメリカ軍は削減か廃止されると思う。 多分だけどアメリカが態度を軟化させたことで、北朝鮮も態度を軟化させるんじゃないだろうか。
そうなると、日本は待ったなしでアメリカの懐から追い出されて、いっぱしの国として他の国と渡り合わないといけなくなる。
これから日本は難しい状況になると思う。 中国も韓国も北朝鮮も、あまり合理的な国ではない。 日本と似てて、討論も出来ないし、論理的な会話も出来ないところがある。 日本も理屈が通じないバカが多いけど、まだ、アジアの中では例外的にまともな理屈が通りやすい国だ。 他の国はムチャムチャなところがある。
そういう国とどうやって交渉するのかといえば、ある程度は軍隊が... とか経済が... とか そういう物理的なプレッシャーを使って舵取りする必要が出てくるのだと思う。 ある程度日本は強くないといけないはずだと思う。 ところが、難しいのは、アメリカは、日本が強くなりすぎるとまたちょっかいを出してくることだと思う。
これは、日本がこれまで60年ぐらい、アメリカの傘下でアメリカに守られて発展してきたことを考えると、洒落にならない大きな変化だと思う。
日本はここで何かを乗り越えないといけないんだと思う。
特に、量がたくさんあればどうにか成った時代はとっくに終わっていて、少なくてよいので質が良いものが必要な時代だ。 アメリカが作ったおこぼれを拾って生きていくのではなく、自分から新しい考え方を作り出して、先頭に立って切り開いて行かないといけないはずだ。
・
でも食料自給率が低いのも、何か異様に色々なものを輸入に頼っているのも、そのせいで異様に食費が高いのも、そのせいで外貨がバンバン出て行くので働いても国がなかなか豊かさを感じられないのも、実はかなりアメリカの圧力があったはずだから、そう悪いことばかりじゃないかもしれないけど...。
最近の台湾の話も、凄くそういう、日本・中国の関係の変化を感じさせるニュースだった。
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昨今のなんだかへんな台湾問題だけど、今日のJMMで、について、ふるまいよしこ氏がすごくわかりやすく説明していた! 絶対これは必読! 転載するけど、これは絶対登録したほうがいいと思う。
僕も一生懸命考えたけど、外していた。 持っている情報が限られているので止むを得ないところもあったけど、ちょっと悔しい。 また次回頑張ろうと思う。
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=842199553&owner_id=459989&org_id=843561956
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2008年6月19日発行
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■ 『大陸の風-現地メディアに見る中国社会』 第126回
「東アジアの風向き」
□ ふるまいよしこ :北京在住・フリーランスライター
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■ 『大陸の風-現地メディアに見る中国社会』 第126回
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「東アジアの風向き」
「日本人のregret(遺憾)とapology(謝罪)はどう見分ければいい
の?」
あるテレビ局のニュースアンカーと夕食をとっていたとき、彼がこう尋ねてきた。遺憾と謝罪。その言葉にふと、日本と中国が国交回復した1972年、訪中した田中角栄が「わが国が中国国民に多大なご迷惑をおかけした……」と言ったことに対して、田中を迎えた周恩来が「あれは『ご迷惑』というものではないでしょう」と指摘したというエピソードが脳裏に浮かんだ。そんなこともあって、中国に関わる日本人にとってさらりと通過することのできない質問でもある。
我われ日本人同士でも、相手の「すみません」が謝罪としてのものなのか、それとも謝罪という意識のないその場限りの言葉なのか、判断に困ることがある。テレビドラマでも頑固な上司が「それで謝ってるつもりか!」と怒鳴るシーンなんか、日常の一幕として頻繁に利用されているし(で、実際にそんなときにもそれはご本人にとって謝ったのではなく、上司の勢いに押されて口からついて出ただけの言葉だったりする)。
もちろん、それは気持ちの問題である。そんなことは相手もわかっている。アメリカ生活の長かった、この中国人アンカーが知りたがっているのは、遺憾と謝罪をそれぞれ、日本人は相手に対してどんな形で示すのか、ということなのだ。
遺憾と謝罪。どちらも堅苦しい言葉だ。先にあげたような「すみません」や「ごめん」などですまない状況で使われる。そしてそれは振り返ってみると、日本国内でもここ数年、食品の製造日書き換えやイージス艦の衝突事故などのニュースでかなり頻繁に使われた言葉である。そのとき、矢面に立たされた人たちはどうしたか…。
「どちらも表情は同じように真剣かもしれないけど、さらに深く頭を下げる、それが日本流のapology(謝罪)の表し方だと思うよ」
「……だと思うよ」というのもなんとも頼りない説明だが、遺憾表明とは違い、公式の場で公式の相手にきちんと謝罪する、という姿として、やはり上記のような場で当事者が示したそれを頭に浮かべて答えるしかなかった。わたしはやったことないけど。あなただったらどうしますか?
彼がわたしにそう尋ねてきたのにはわけがある。先週10日に起こった、台湾の釣り客を乗せた遊覧船が尖閣諸島付近で警告を発した日本海上保安庁の巡視艇と接触、そのまま沈没してしまったという事件が、ちょうどその頃、じわじわと台湾でヒートアップしていたからだ。
尖閣諸島は中国語では「釣魚島」と呼ばれ、その領有権を巡って日本と中国と、そして台湾の間で論争の種になってきたのはみなさんもご存知だろう。そして、そこでは領有を主張する(とくに台湾の)漁船が「領海内」に現れ、ときおり小競り合いも起き、そのたびに小さなニュースとして流れているが、今回、漁船は沈没したものの(いつものように)死傷者も出なかった事件がなぜあっというまに駐日台湾代表(大使にあたる)の召還にまでヒートアップしたのか、ちょうど香港にいて日本や現地のメディアが報道するニュースを追っていたわたしは不思議でならなかった。
日本側からすれば領海を侵犯した船の船長と乗組員を拘束して取り調べる、というのは当然の手順だし、これまでの侵犯騒ぎでも行われてきたことだったろう。そして、台湾側の報道によると、台湾側はいつも拘束された漁船を取り返すために、一隻につき数百万台湾元(1台湾元=約3.6円)を補償金として支払ってきたという。今回は船長所有の船「連合号」が拘留される前に沈没したから事態が深刻化したのだろうか。
しかし、メディアの論調は船の賠償にからんだ話から、すぐさま領有権の問題へと飛び火し、つい最近まで政権を巡って対立していたはずの「台湾独立派」民進党関係者も、中国との和解に向けて大きな一歩を踏み出したばかりの国民党関係者も一緒になって「釣魚島」の領有権を叫び始めた。もしや、台湾全土がこの問題でそこで団結一致したのだろうか、と思っていたところに、今度は国民党系の立法委員(国会議員)の間から「日本との戦争も辞さない」という言葉が飛び出したり、尖閣諸島付近でのデモンストレーションに出かけた活動家の船を台湾海巡署(海上保安機関に相当)の巡視船が護衛したりと、政府内の討議や討論を経る暇もなく、一挙に政府機関の強硬な姿が文字どおり水面上に現れた。
そんな騒ぎの真っ最中に、わたしはかのニュースアンカー氏とともに「いったい何がきっかけで、これまで何度も繰り返されてきた事件が『戦争』なんて言葉が飛び出すほどヒートアップするに至ったんだろう」とクビをかしげていたのである。もしかして日本の対応のあいまいさからきているのだろうかという話にもなり、アンカー氏から冒頭のように「日本語にはもしかして遺憾と謝罪って違いがないの?」という質問を受けたのだった。
確かに今回、日本の対応も甘かった。というか、たぶん、それは日常的な海上保安庁の習慣的な対応だったのではないか。最初は「領海を侵犯した台湾漁船側の責任」と言っていたのが、漁船沈没に対する「遺憾の意」に変わり、その後、それが実は海上保安庁の巡視船が十分な距離をとっていなかったための衝突が原因だったことを、海上保安庁責任者が謝罪するに至った。しかし、一方で不思議なことに、やっと事態を収めるきっかけになるかと思われた「日本側の正式謝罪」を伝える記事は、日本のメディアでも台湾のメディアでもなく、このところ台湾との直行便就航取り決めなどで蜜月時代に入っている中国の、それもばりばりの中国共産党政府筋メディアである「人民ネット」や「環球時報」にまっさきに出現した。
中国の状況を長年眺めている身としては、これはかなり異常な事態だった。
中国政府も事件発生当初は、漁船の沈没と船員たちの拘束に対して厳しい抗議の声を上げた。それがぐんぐん、ぐんぐんと台湾側の熱気が急上昇するうちにそれに対する発言は減った。そこには直接対話を実現したばかりの台湾も大事だが、同じようにやっと事務レベルの会話が進み始めた日本との関係を逆戻りさせたくないという思惑があったようだ。だからこそ、頭に血が上った台湾に向けて、そしてその「領土問題」が飛び火するかもしれない中国国内の活動家たちに向けて、「日本側の謝罪」を一番に喧伝したのであろう。
そこで、台湾はある意味、孤立無援に置かれてしまった。台湾の活動家はお互いの主権問題を棚上げして手を結んだばかりの中国とともに、今度は日本に対して、共通する主権問題で共同戦線を張れると思っていたようだ。
「台湾の中華民国政府は歴史的な立場から釣魚島の主権を所有していると称しているが、中華民国あるいは『台湾』は日本に国家として認められておらず、また国連メンバー国でもないために、釣魚島の主権争議をハーグの国際裁判所に持ち込む資格を持っておらず、このために日本の釣魚島占領に対して手も足も出ず、『吼える』ことしか出来ない。そのために一部の者には台湾政府が国連常任理事国の身分を持つ中国共産党と話し合い、中国共産党が台湾の代わりに国際的な裁判を起こすべきと主張するものがいるが、一旦それが勝訴すれば、釣魚島はそのまま中国共産党の所有となり、台湾はそれを受け取れない可能性もある」(「釣魚島防衛の成敗は中台の位置づけと主権争議にかかわるもの」東森新聞・6月17日)
ここでいう「中国共産党」とは、台湾側から見た中華人民共和国政権を指す。わざわざ「中国共産党」と言い切ってしまうところからして、この東森新聞は台湾独立をスローガンにしてきた前政権党民進党系の新聞である。3月の総統選挙で勝利した国民党所属の馬英九氏が就任後次々と、冷え切っていた中国との関係を好転させるなか、ここにきてその経済効果に浮かれる国民党関係者の「他力本願」にこうやって釘を刺した。しかし、同時にまた、こうも説く。
「もし、中台が統一でもなく独立でもない現状を維持し続け、また両者の中台関係に対する位置づけが抽象的な『一つの中国』あるいは『一中各表(世界に中国はひとつしかなく、台湾にとって中国とは台湾のことを指すという台湾側の解釈)』の概念にとどまるならば、中台の関係はさらなる位置づけ、『中華民国の地位』などの具体的な問題を解決することは出来ず、それによって日本が大手を振って釣魚島を占領し続けることができるようになり、釣魚島の主権は依然として『中台の争いで、日本が利を得る』ということになる」(同上)
このあたりからだんだん、手を結んだのかと思われた宿敵、国民党と民進党の主張の違いが明らかになってくる。日本の立場を台湾に向けて説明していた、日本在住30年になる許世楷・台湾駐日代表に対して国民党から「売国奴」の言葉がぶつけられると、許氏はすぐさまその職を辞することを表明。このままでは国民党は日本から大使級の人物を召還したうえに、その事務に親しい人を挿げ替えざるを得なくなった。
さらに馬英九総統自身がかつて、釣魚島主権運動に深く関わってきたことも大きく取り上げられ、事件発生後1週間以上直接の発言をしてこなかったことを「昔の熱血青年はどこへ行ったのだ」と揶揄されるようになる。そして同時に「日本は就任したばかりの馬英九政権の対日ボトムラインを知るために今回の事件を『仕掛け』たのだ」という陰謀論まで飛び交うようになった。
そんなやりとりを見ているうちに、だんだん今回の釣魚島事件とは、日本の海上保安庁と台湾漁船との衝突をきっかけにした台湾の島内政治綱引きによるものなのだということが分かってきた。漁民の漁業権を錦の御旗にして領海権の保護を唱える民進党と、もともと日中戦争時代に日本と戦った歴史を持つ国民党は、尖閣諸島付近の領海権を巡って一見、同じ戦線に立っているように見えるが、実はそこには親日派の独立主張派である民進党、そして中国との経済協力を求めて主権問題を棚上げして中国と手を結ぼうとしている国民党の意図が錯綜しているのだ。だからこそ、民進党は中国の出方を警戒し、国民党は(中日代表を含めた)親日派を「売国奴」と攻撃するようになった。
「遺憾なことに、今回の事件はすでに政治パフォーマンス化し、民族と国民党、民進党の感情のもつれが簡単に殴るぞ、殺すぞという無責任な発言を引き出し、理性的な討論の空間がますます減り、論争はますます低レベルの言葉とロジックで彩られるようになった。駐日代表である許世楷氏の処理は満足いくものではなかったが、しかし、『売国奴』などのぶしつけな人身攻撃、そして勝手なレッテル張りによるさげすみは今日の台湾では決して許されるものではない。同様に馬英九氏を『親中仇日』と呼んだりすることも政策決定において馬英九氏が果たしている役割を高く見すぎているものであり、特に実際に政策決定が行われているのかどうか、まだわからない状態であることなども、さらに検討の余地がある」(「いつまでも釣魚島にくらいつく必要はない」中国時報・6月17日)
冒頭のアンカー氏もこう言った。「すでに日本の担当者は(漁船衝突、沈没事件に対して)深く頭を下げて謝罪した。彼らにとって最初、それはこれまでに何度も処理してきた『領海侵犯』事件の一つだったのかもしれない。だからこそ、処置と意思表明が遅れたのだろう。しかし、その後日本政府もメディアも騒ぎ立てないように低調な態度で接している。死者が出てない以上、台湾内で荒々しく、『日本討伐』を叫ぶ必要はすでに国民党にも民進党にもないはずだ」。
馬英九総統も17日にメディア記者との懇親会を開いて「きちんとした抗議の声を上げる必要はあるが、事態の解決は平和裏に行いたい」という意志を明らかにした。事件はたぶん、このまま沈静化していくものと見られるが、今回の事件は、日本も中国、台湾の国内政治事情の至近距離におり、まったく知らぬ存ぜぬでは通せない時代になり、「遺憾と謝罪」だけではすまない事態も今後起こっていくのだろうと思わされるものであった。
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ふるまいよしこ
フリーランスライター。北九州大学外国語学部中国学科卒。1987年から香港在住。近年は香港と北京を往復しつつ、文化、芸術、庶民生活などの角度から浮かび上がる中国社会の側面をリポートしている。著書に『香港玉手箱』(石風社)。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4883440397/jmm05-22
個人サイト:<http://wanzee.seesaa.net>
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【発行部数】128,653部
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これは結構洒落にならない大きな変化だと思う。
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そうなると、日本は待ったなしでアメリカの懐から追い出されて、いっぱしの国として他の国と渡り合わないといけなくなる。
これから日本は難しい状況になると思う。 中国も韓国も北朝鮮も、あまり合理的な国ではない。 日本と似てて、討論も出来ないし、論理的な会話も出来ないところがある。 日本も理屈が通じないバカが多いけど、まだ、アジアの中では例外的にまともな理屈が通りやすい国だ。 他の国はムチャムチャなところがある。
そういう国とどうやって交渉するのかといえば、ある程度は軍隊が... とか経済が... とか そういう物理的なプレッシャーを使って舵取りする必要が出てくるのだと思う。 ある程度日本は強くないといけないはずだと思う。 ところが、難しいのは、アメリカは、日本が強くなりすぎるとまたちょっかいを出してくることだと思う。
これは、日本がこれまで60年ぐらい、アメリカの傘下でアメリカに守られて発展してきたことを考えると、洒落にならない大きな変化だと思う。
日本はここで何かを乗り越えないといけないんだと思う。
特に、量がたくさんあればどうにか成った時代はとっくに終わっていて、少なくてよいので質が良いものが必要な時代だ。 アメリカが作ったおこぼれを拾って生きていくのではなく、自分から新しい考え方を作り出して、先頭に立って切り開いて行かないといけないはずだ。
・
でも食料自給率が低いのも、何か異様に色々なものを輸入に頼っているのも、そのせいで異様に食費が高いのも、そのせいで外貨がバンバン出て行くので働いても国がなかなか豊かさを感じられないのも、実はかなりアメリカの圧力があったはずだから、そう悪いことばかりじゃないかもしれないけど...。
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「日本人のregret(遺憾)とapology(謝罪)はどう見分ければいい
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我われ日本人同士でも、相手の「すみません」が謝罪としてのものなのか、それとも謝罪という意識のないその場限りの言葉なのか、判断に困ることがある。テレビドラマでも頑固な上司が「それで謝ってるつもりか!」と怒鳴るシーンなんか、日常の一幕として頻繁に利用されているし(で、実際にそんなときにもそれはご本人にとって謝ったのではなく、上司の勢いに押されて口からついて出ただけの言葉だったりする)。
もちろん、それは気持ちの問題である。そんなことは相手もわかっている。アメリカ生活の長かった、この中国人アンカーが知りたがっているのは、遺憾と謝罪をそれぞれ、日本人は相手に対してどんな形で示すのか、ということなのだ。
遺憾と謝罪。どちらも堅苦しい言葉だ。先にあげたような「すみません」や「ごめん」などですまない状況で使われる。そしてそれは振り返ってみると、日本国内でもここ数年、食品の製造日書き換えやイージス艦の衝突事故などのニュースでかなり頻繁に使われた言葉である。そのとき、矢面に立たされた人たちはどうしたか…。
「どちらも表情は同じように真剣かもしれないけど、さらに深く頭を下げる、それが日本流のapology(謝罪)の表し方だと思うよ」
「……だと思うよ」というのもなんとも頼りない説明だが、遺憾表明とは違い、公式の場で公式の相手にきちんと謝罪する、という姿として、やはり上記のような場で当事者が示したそれを頭に浮かべて答えるしかなかった。わたしはやったことないけど。あなただったらどうしますか?
彼がわたしにそう尋ねてきたのにはわけがある。先週10日に起こった、台湾の釣り客を乗せた遊覧船が尖閣諸島付近で警告を発した日本海上保安庁の巡視艇と接触、そのまま沈没してしまったという事件が、ちょうどその頃、じわじわと台湾でヒートアップしていたからだ。
尖閣諸島は中国語では「釣魚島」と呼ばれ、その領有権を巡って日本と中国と、そして台湾の間で論争の種になってきたのはみなさんもご存知だろう。そして、そこでは領有を主張する(とくに台湾の)漁船が「領海内」に現れ、ときおり小競り合いも起き、そのたびに小さなニュースとして流れているが、今回、漁船は沈没したものの(いつものように)死傷者も出なかった事件がなぜあっというまに駐日台湾代表(大使にあたる)の召還にまでヒートアップしたのか、ちょうど香港にいて日本や現地のメディアが報道するニュースを追っていたわたしは不思議でならなかった。
日本側からすれば領海を侵犯した船の船長と乗組員を拘束して取り調べる、というのは当然の手順だし、これまでの侵犯騒ぎでも行われてきたことだったろう。そして、台湾側の報道によると、台湾側はいつも拘束された漁船を取り返すために、一隻につき数百万台湾元(1台湾元=約3.6円)を補償金として支払ってきたという。今回は船長所有の船「連合号」が拘留される前に沈没したから事態が深刻化したのだろうか。
しかし、メディアの論調は船の賠償にからんだ話から、すぐさま領有権の問題へと飛び火し、つい最近まで政権を巡って対立していたはずの「台湾独立派」民進党関係者も、中国との和解に向けて大きな一歩を踏み出したばかりの国民党関係者も一緒になって「釣魚島」の領有権を叫び始めた。もしや、台湾全土がこの問題でそこで団結一致したのだろうか、と思っていたところに、今度は国民党系の立法委員(国会議員)の間から「日本との戦争も辞さない」という言葉が飛び出したり、尖閣諸島付近でのデモンストレーションに出かけた活動家の船を台湾海巡署(海上保安機関に相当)の巡視船が護衛したりと、政府内の討議や討論を経る暇もなく、一挙に政府機関の強硬な姿が文字どおり水面上に現れた。
そんな騒ぎの真っ最中に、わたしはかのニュースアンカー氏とともに「いったい何がきっかけで、これまで何度も繰り返されてきた事件が『戦争』なんて言葉が飛び出すほどヒートアップするに至ったんだろう」とクビをかしげていたのである。もしかして日本の対応のあいまいさからきているのだろうかという話にもなり、アンカー氏から冒頭のように「日本語にはもしかして遺憾と謝罪って違いがないの?」という質問を受けたのだった。
確かに今回、日本の対応も甘かった。というか、たぶん、それは日常的な海上保安庁の習慣的な対応だったのではないか。最初は「領海を侵犯した台湾漁船側の責任」と言っていたのが、漁船沈没に対する「遺憾の意」に変わり、その後、それが実は海上保安庁の巡視船が十分な距離をとっていなかったための衝突が原因だったことを、海上保安庁責任者が謝罪するに至った。しかし、一方で不思議なことに、やっと事態を収めるきっかけになるかと思われた「日本側の正式謝罪」を伝える記事は、日本のメディアでも台湾のメディアでもなく、このところ台湾との直行便就航取り決めなどで蜜月時代に入っている中国の、それもばりばりの中国共産党政府筋メディアである「人民ネット」や「環球時報」にまっさきに出現した。
中国の状況を長年眺めている身としては、これはかなり異常な事態だった。
中国政府も事件発生当初は、漁船の沈没と船員たちの拘束に対して厳しい抗議の声を上げた。それがぐんぐん、ぐんぐんと台湾側の熱気が急上昇するうちにそれに対する発言は減った。そこには直接対話を実現したばかりの台湾も大事だが、同じようにやっと事務レベルの会話が進み始めた日本との関係を逆戻りさせたくないという思惑があったようだ。だからこそ、頭に血が上った台湾に向けて、そしてその「領土問題」が飛び火するかもしれない中国国内の活動家たちに向けて、「日本側の謝罪」を一番に喧伝したのであろう。
そこで、台湾はある意味、孤立無援に置かれてしまった。台湾の活動家はお互いの主権問題を棚上げして手を結んだばかりの中国とともに、今度は日本に対して、共通する主権問題で共同戦線を張れると思っていたようだ。
「台湾の中華民国政府は歴史的な立場から釣魚島の主権を所有していると称しているが、中華民国あるいは『台湾』は日本に国家として認められておらず、また国連メンバー国でもないために、釣魚島の主権争議をハーグの国際裁判所に持ち込む資格を持っておらず、このために日本の釣魚島占領に対して手も足も出ず、『吼える』ことしか出来ない。そのために一部の者には台湾政府が国連常任理事国の身分を持つ中国共産党と話し合い、中国共産党が台湾の代わりに国際的な裁判を起こすべきと主張するものがいるが、一旦それが勝訴すれば、釣魚島はそのまま中国共産党の所有となり、台湾はそれを受け取れない可能性もある」(「釣魚島防衛の成敗は中台の位置づけと主権争議にかかわるもの」東森新聞・6月17日)
ここでいう「中国共産党」とは、台湾側から見た中華人民共和国政権を指す。わざわざ「中国共産党」と言い切ってしまうところからして、この東森新聞は台湾独立をスローガンにしてきた前政権党民進党系の新聞である。3月の総統選挙で勝利した国民党所属の馬英九氏が就任後次々と、冷え切っていた中国との関係を好転させるなか、ここにきてその経済効果に浮かれる国民党関係者の「他力本願」にこうやって釘を刺した。しかし、同時にまた、こうも説く。
「もし、中台が統一でもなく独立でもない現状を維持し続け、また両者の中台関係に対する位置づけが抽象的な『一つの中国』あるいは『一中各表(世界に中国はひとつしかなく、台湾にとって中国とは台湾のことを指すという台湾側の解釈)』の概念にとどまるならば、中台の関係はさらなる位置づけ、『中華民国の地位』などの具体的な問題を解決することは出来ず、それによって日本が大手を振って釣魚島を占領し続けることができるようになり、釣魚島の主権は依然として『中台の争いで、日本が利を得る』ということになる」(同上)
このあたりからだんだん、手を結んだのかと思われた宿敵、国民党と民進党の主張の違いが明らかになってくる。日本の立場を台湾に向けて説明していた、日本在住30年になる許世楷・台湾駐日代表に対して国民党から「売国奴」の言葉がぶつけられると、許氏はすぐさまその職を辞することを表明。このままでは国民党は日本から大使級の人物を召還したうえに、その事務に親しい人を挿げ替えざるを得なくなった。
さらに馬英九総統自身がかつて、釣魚島主権運動に深く関わってきたことも大きく取り上げられ、事件発生後1週間以上直接の発言をしてこなかったことを「昔の熱血青年はどこへ行ったのだ」と揶揄されるようになる。そして同時に「日本は就任したばかりの馬英九政権の対日ボトムラインを知るために今回の事件を『仕掛け』たのだ」という陰謀論まで飛び交うようになった。
そんなやりとりを見ているうちに、だんだん今回の釣魚島事件とは、日本の海上保安庁と台湾漁船との衝突をきっかけにした台湾の島内政治綱引きによるものなのだということが分かってきた。漁民の漁業権を錦の御旗にして領海権の保護を唱える民進党と、もともと日中戦争時代に日本と戦った歴史を持つ国民党は、尖閣諸島付近の領海権を巡って一見、同じ戦線に立っているように見えるが、実はそこには親日派の独立主張派である民進党、そして中国との経済協力を求めて主権問題を棚上げして中国と手を結ぼうとしている国民党の意図が錯綜しているのだ。だからこそ、民進党は中国の出方を警戒し、国民党は(中日代表を含めた)親日派を「売国奴」と攻撃するようになった。
「遺憾なことに、今回の事件はすでに政治パフォーマンス化し、民族と国民党、民進党の感情のもつれが簡単に殴るぞ、殺すぞという無責任な発言を引き出し、理性的な討論の空間がますます減り、論争はますます低レベルの言葉とロジックで彩られるようになった。駐日代表である許世楷氏の処理は満足いくものではなかったが、しかし、『売国奴』などのぶしつけな人身攻撃、そして勝手なレッテル張りによるさげすみは今日の台湾では決して許されるものではない。同様に馬英九氏を『親中仇日』と呼んだりすることも政策決定において馬英九氏が果たしている役割を高く見すぎているものであり、特に実際に政策決定が行われているのかどうか、まだわからない状態であることなども、さらに検討の余地がある」(「いつまでも釣魚島にくらいつく必要はない」中国時報・6月17日)
冒頭のアンカー氏もこう言った。「すでに日本の担当者は(漁船衝突、沈没事件に対して)深く頭を下げて謝罪した。彼らにとって最初、それはこれまでに何度も処理してきた『領海侵犯』事件の一つだったのかもしれない。だからこそ、処置と意思表明が遅れたのだろう。しかし、その後日本政府もメディアも騒ぎ立てないように低調な態度で接している。死者が出てない以上、台湾内で荒々しく、『日本討伐』を叫ぶ必要はすでに国民党にも民進党にもないはずだ」。
馬英九総統も17日にメディア記者との懇親会を開いて「きちんとした抗議の声を上げる必要はあるが、事態の解決は平和裏に行いたい」という意志を明らかにした。事件はたぶん、このまま沈静化していくものと見られるが、今回の事件は、日本も中国、台湾の国内政治事情の至近距離におり、まったく知らぬ存ぜぬでは通せない時代になり、「遺憾と謝罪」だけではすまない事態も今後起こっていくのだろうと思わされるものであった。
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ふるまいよしこ
フリーランスライター。北九州大学外国語学部中国学科卒。1987年から香港在住。近年は香港と北京を往復しつつ、文化、芸術、庶民生活などの角度から浮かび上がる中国社会の側面をリポートしている。著書に『香港玉手箱』(石風社)。
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