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2008年3月26日水曜日

ジャマイカの押し売り (mixi05-u459989-200803261858)

ミクシ内で書かれた旧おかあつ日記を紹介します。
ジャマイカの押し売り
2008年03月26日18:58
今日はプログラムでかなり大きな問題を抱えていたし、煮詰まっていたので、出かけることにした。 いつもの様に、川崎駅まで片道5kmの散歩をする事にした。 今日は最近見つけた新しい道を使った。 天気も良くてとてもよい気分で川崎に到着、スターバックスで仕事を進めた。

ある程度目処もついたので、CD屋さんに向かった。
前から目をつけていた「今更聞けない人の怒らせ方」を買おうと思ったのだ。
http://www.youtube.com/watch?v=hd8GsjH2rCk&feature=related

僕はあまりお笑いとか興味なかったのだけど、タイ語を勉強するようになってから、タイのお笑いを見るようになり、興味を持つようになった。 お笑いって言うのはひとつの言葉だと思う。 笑いのツボっていうのはそのまま国民性とか文化につながっているな、と思うようになったのだ。 それだけでなく、お笑いって言うのはそれだけでひとつのコミュニケーションテクニックでもあると思う。 意識して学ぶ事で得るものは多いなと思うようになった。 それで、逆に日本のお笑いとかも興味を持つようになったのだ。 特に 「今更聞けない」は、凄く日本的でありながら、それに鋭いメスを入れているように感じられるし、単に面白いし、買うだけの価値はあるなと思った。

正直、ごっつええかんじとか、全然面白さがわからない。 まぁ面白くないわけじゃないけど、何かありきたりな話題をちょっと強引なカリスマで引っ張ってる感じがある。 正直、僕は全然カリスマを感じないので、全然面白くない。 ビートたけしとか志村ケンとかは、外国でもウケると思うけど、ごっつええかんじは、絶対ウケないと思う。 まぁいいや。

13to30も買った。 これも前から目をつけていたし、二枚で3000円キャンペーンをやっていたので、これまた目をつけていた ジャズ映画 ハービーハンコックが出てる Round Midnight も一緒に買ってしまった。 あと、こないだから聞いているアルヤンコビックの元ネタ Chamillionare も買った。 これも 二枚で3000円キャンペーンになっていたので、一緒に これまた前から目をつけていた Al Jarrew & George Benson のアルバムも買った。

仕事に集中していたので、もう長らく買い物などしていなかった。

そうこうしている内に、タイから電話がかかってきて、タイと話をしたりもした。 長らく気になっていたことが解決して、すっきりした。

あと、今日は4年間の付き合いである靴を新調した。 もうペタペタになってしまって穴も開いていて、ヒザも痛かった。 マラソン用のクッションがしっかりしている靴を買った。 羽の様に軽い靴で、今までの足の痛みはなんだったのかというぐらい履きやすい靴だった。 これもまたとても気分が良かった。

問題はここからだった。

とりあえず、チネチッタの方のスターバックスでもう一回仕事をしようと思って、ブラブラ歩いていたら、向こうからまっすぐ黒人が歩いてくる。 ヘイ!とかいって握手を求めるので、握手をした。 「実は向こうに店があるんだけど」 店の客引きだったようだ。 「それは知ってる。」 「いや、それじゃないって、新しい店なんだよ」 「興味ないよ。」「いやあなたが好きそうな服がたくさんある!絶対気に入る!」 ... っていう感じで、客引きだった。 でも無理やり連れて行かれてしまった。

見せはかなり通りから離れたところにあって、人もまばらだった。 二階にごく小さい店があった。 この黒人は、店を閉めて表通りまで客引きに行っていたのだ。 店を閉めるぐらいだから、客は全然来ないんだろう。

でもすごい品揃えで、この黒人が言う宣伝文句もまんざらウソではなかった。 だけど買う気がなかったので、要らない! と強く言ったら、ショボーンとしてしまって、今度はかわいそうになってしまった。 それでうっかり、買うと言ってしまった。

彼はジャマイカから来たといった。 そして藤沢に住んでいると言った。日本人の奥さんがいるんだそうだ。 子供の写真も見せられた。 凄まじい在庫の量で、まぁ在庫を裁くのに苦労しているんだろうなと思った。 まぁ 恵んだつもりで買った。

でも、まぁ前から欲しかった、白いニット帽と、あとなんだかよくわからない黒人風のTシャツと買った。 二つあわせて6000円というとで、微妙に高めだ。 値切ればよかったが、かわいそうだったので、そのまま買った。

店から出てきた。 そうしたら、また別な黒人がヨーっていって近寄ってきた。 店見るだけでいいからってまたつれてかれてしまった。 要するにその手の黒人ファッションショップは他にもたくさんあったのだ。 今度はきっぱり断って出てきた。



まぁこの出来事にあって色々考えさせられた。

タイに居て、タイ語が上手くなると、不思議な事に逆にタイ人から嫌われていってしまうということをかねがね体験して不思議に思っていた。 だけど今回のこの事件がきっかけで、理由がなんとなくわかったようなきがしたのだ。 相手が自分の母国語を話してくれるというのは、外国語が苦手な日本人としては、何かとても親しみ易くてすごく楽だ、という一瞬思うのだ。 しかし、実際のところ、向こうはこちらのことを知り抜いているのに対して、こちらは相手のことを何も知らないという点で、圧倒的に不利な立場なのだ。 だから、こういう風に客引きと交渉をしたりする時、凄く不利になってしまうのではないだろうか。 「人種の坩堝」といわれるぐらい 外人が多いタイ国のタイ人は、このことを常識的に知っているので、タイ語を話す外人は無条件に警戒するのだろう。 (もし「んなことないよ!」と思うなら、自分のタイ語のレベルを確認する良い機会じゃないだろうか。)

僕は日本人で日本に居る。 日本の習慣として、相手との衝突は出来る限り避けようとする習慣がある。 そして相手が誰であってもある程度の同情の念を持ちながら生活している。 ところが、こういうような日本に居る外人は、これを逆手に取る。 日本人は逆から見ると、押され弱い。 ニコニコしながら、強引に意見を通そうとすると、その笑顔を壊すまいとする日本人の習慣として、わりと簡単にうんと言わせることが出来てしまうからだ。

日本人はこの点かなり独特な風習を持っている。 その場限りである程度の深さで付きあおうとする大陸系のコミュニケーション術を使うアメリカ人や中国人とは明らかに違う。
ある程度持続することを前提にした深めの人間関係を好む。 日本人は、知らない人と話をするときであっても、「また何かどこかで縁があるかもしれないから」という風に先々のことも考えて、無為にあしらったりすることが少ないと僕は思う。

異質な人とのコミュニケーションが苦手で、短時間ではなかなか仲良くなりづらいが、一度仲良くなると長く付き合うのが日本人だと思う。

ところが、こうやって日本人的な親切さを示しても、彼らはあっさり去って知らん顔になってしまう。 別にこちらとしても見返りを期待しているわけではないが、しかし、後で顔を見かけても、ありがとうもなく、全く知らん顔をされるのは、非常に後味が悪い。

というわけで、僕が本来取るべき行動は、「目を合わせずに無視」だったわけだが、そうするのもなんかなぁ... と思う。 抵抗を感じるのだ。 確かに、この心境を、NOといえない日本人って断罪して「だから日本人はダメなんだ」とも言うことも出来る。 だけど、逆に、日本っていうのは、まだこういう「心」が生きている貴重な国なんだ、ともいえるわけで、なんでもかんでもアメリカ式にツンケンしても面白くないじゃないか、って思う。

だから、日本で外人と話すのって難しいんだよな...。



だから、僕は外国にいてそこの現地語を話す時は、精一杯敬意を持って話すようにしている。 相手の風習を見てその無知をあざ笑いバカにするのは実に簡単だ。 だけど、それぞれ国にはそれぞれ事情があり、簡単に「バカだ」と断罪する事は許されない。

(ちなみに、外国にいて外国語を勉強していると、自分が相手のことを良く知っているのに対して、相手は自分のことを何も知らないという状況に、当然なるものだ。 すると、相手がとても無知に感じるようになってくる。 何も知らないバカなんじゃないかという気がしてくるのだ。 これを僕は「外人はみんなバカに見えるの法則」と呼んでいる。 しかし、それを相手に感じさせてしまうのは、重大なコミュニケーション違反だと僕は思う。 しかし、 これを相手に感じさせないまでに問題を理解し克服するのは案外と難しいものだ。 実際、外国にいる日本人にも、日本に居る外国人にも、しばしば、この「外人はみんなバカに見えるの法則」の虜になって思考が停止してしまっている人たちを観察することができる。 )

でも、ともあれ、日本に居て外国人と話すときは、気をつけないとな...。




他にもこういうことを思った。 スマイルの使い方だ。

スマイルも国によって使い方が微妙に違う。 タイはスマイルが無いとコミュニケーションが成り立たない。 スマイルがないというのは「ありえない」。 だけど、多分だけど、アメリカにいると、こうやってなれなれしく、パーソナルスペースに進入するタイプのコミュニケーション術を使う人も少なくない。 こういう人にスマイルを使うと、相手のいいように扱われてしまうので、スマイルを使わないで真顔で「あ?(゜Д゜)」 って感じでじっと見る、という対応も必要だと思う。 あと、最初は目をあわさないようにするのも大切だと思う。

このへんの呼吸は、国によって千差万別、間合いの取り方も千差万別だ。 これは「日本人がNOと言えない」のが問題なのではなくて、相手に合わせてスピーディーかつ臨機応変に切り替えるのがとても難しいというのが問題なのではないかと思う。 そのほうがより実際に近い様な気がする。

特にコンフリクトを避ける日本のコミュニケーションをしている時に、いきなり真顔でじっと見るコミュニケーションに切り替えるのは、相当慣れが必要だと感じる。

だって、切り替え間違えるとすぐに問題になる。 「あ!しまった! いやこれさぁ、アメリカに居た時のクセでさぁ、悪気はないんだよ! アハハハハ!」「(-_-メ......。」 っていうのは、日本での典型的な失敗例でしょ?


コメント一覧
ジャコビ   2008年03月26日 22:27
日本にいる時に英語を話すと思われる外国人と話す時には、英語で話しかけるようにしています。その方がコミュニケーションがうまく行くからです。日本語があまり上手でない外国人と日本語で話すのは、かなり至難の業です。というのは、相手が分りやすいように、なるべく正しい日本語で話しかける努力に気をとられて、話しの内容が貧しくなりがちだからです。おかあつさんが書いているように相手に advantage を取らせないという気持ちも当然あります。

以前セミナーを取った時にインストラクターが「ストリートベンダーから物を買う時に、たとえ挨拶だけでもその売り手の国の言葉で話しかけると上手く値切る事ができる」と言っていました。まあ、おかあつさんの場合、値切るのが目的ではなかったのですが。
muri   2008年03月30日 18:34
> タイに居て、タイ語が上手くなると、不思議な事に逆にタイ人から嫌われていってしまう

これですが、またちょっとピントが違うかもしれないけど、自分の体験で思った事は、
「言葉をある程度覚えて言いたいことが言えるようになると、気軽に何でも言うようになるんだけど、その有るべき表現の仕方まではまだ体得できていない状態」
というのが有ると思いました。

慣習、タブー、プライドなんかの微妙な感覚はそれぞれの社会で異なりますから、棘を立てないように工夫して言わなきゃいけない事もあるわけで、喋れるようになるとそれをどんどん言っちゃうもんだからw、片言で意思疎通していた時は仲の良かった知り合いを怒らせたりしましたね。今思い返せば、もうちょっと上手な言い方が有ったなぁ、と思うケースも有りますです。
 
出展 2008年03月26日18:58 『ジャマイカの押し売り』

著者オカアツシについて


小学生の頃からプログラミングが趣味。都内でジャズギタリストからプログラマに転身。プログラマをやめて、ラオス国境周辺で語学武者修行。12年に渡る辺境での放浪生活から生還し、都内でジャズギタリストとしてリベンジ中 ─── そういう僕が気付いた『言語と音楽』の不思議な関係についてご紹介します。

特技は、即興演奏・作曲家・エッセイスト・言語研究者・コンピュータープログラマ・話せる言語・ラオ語・タイ語(東北イサーン方言)・中国語・英語/使えるシステム/PostgreSQL 15 / React.js / Node.js 等々




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