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2007年6月10日日曜日

日本語を教える (mixi05-u459989-200706100152)

ミクシ内で書かれた旧おかあつ日記を紹介します。
日本語を教える
2007年06月10日01:52
今、色々あって日本に帰ってきたのだけど、今回はタイ人と一緒に来たので、日本についてもずっとタイ語を話している。 いつもは日本についた瞬間、すべてが日本語にシフトしてしまうのだけど、今回はそういうことにならなくて、すごく変な感じだ。

最初凄く変な感じだった。 だけど、段々慣れてきて、3~4日で両方同時に話しても混乱しなくなってきた。 今は、日本語とタイ語両方同時に話せるようになった。

でも、ひょっとしたら日本語とタイ語が結構言い回しが似ているから、というかなんと言うか、どちらも同じ様なシチュエーションで似たような事を言っているというか、あまり違和感が無いということもあるのかなと思った。

今日ふと思ったんだけど「電車遅いなぁ」って英語でなんていうだろうか。 タイ語だと「ロットファイファーチャーマーク」って言えば100%通じるし、それで自然なタイ語だけど、英語で「トレインイズスロー」じゃ絶対間違ってると思う。 だからといって「トレインイズレイト」も絶対間違ってる。 というか、これって a か the か? というか、そういうことって普通あんまり言わない?

まぁひょっとしたら単にその言葉で生活した経験の長さの問題かもしれないけど、タイ語と日本語は置き換えるのが割りと簡単だと感じる。

それで、今、日本語を教えるハメになった。

最初、日本語なんて絶対教えるのムリだと思っていた。 でも、やってみたら、言葉はみんなおんなじだと思った。 言葉の勉強の仕方って、言葉によらない。 経験があって、それをなんて呼ぶのかを片っ端から丸暗記していくだけだ。 そうやって丸暗記していくと、段々共通点が見えてくるので、その共通点をまとめていく。 本当にそれだけだと思う。

僕の英語は明らかに理論から入っている。 僕の英語は、経験が無い言語だ。 だから、何かを認識しても、それがなんと呼ばれる現象なのか、結び付けるまでに考える必要がある。

ところが、言葉が経験から入っていると、見た瞬間に言葉が出てくる。 何も考える必要が無い。 楽勝だ。

それで、思うんだけど、なんと言うか、日本語というのは、理論から教えると、実に、絶望的に難しい言葉だと思う。

英語みたいに、割とシンプルであれば、何とか理屈から入ってもどうにかなるけど、日本語は理屈から入ったら、即死だ。 いきなり、絶壁のようにものすごい高い障壁に阻まれてしまう。

でも、生活している中で「電車、遅いね。」「階段を上ろうね」「エスカレータが止まってるね」「ご飯を食べようね」というような、大和言葉的な言葉の切れ端を、片っ端から聞いていくと、頭の中で沢山の「経験と言葉の組」がそろってくる。 そうすると、自然に、「が... というのは こういうことを表しているのかなぁ」「を...というのは目的を表しているのかなぁ」というのが、自然に感じられるようになってくる。

この感覚がないと、絶対日本語なんか無理だと思う。

でも、考えてみれば、そんなの日本語に限らないよね。



日本に帰ってきて本屋に行くといつも思うんだけど、タイと比べて本の品揃えは圧倒的だ。 比べ物にならない。

そういえば、前、ヤモト氏が「本屋さんに入ると、『この本を一生かかっても全部読みつくすことはできないんだ』と感じて悲しくなる」と言っていたのを思い出す。

でも、僕は思うんだけど、本屋さんにおいてある本の99%は読む必要が無い本じゃないだろか。 そっちの方がより真実を多く含んでいる様な気が、僕はする。

日本の本って本当にいつも思うんだけど、理論的だ。 ここでいう理論的だ、という言葉はあまりいい意味じゃない。

そんなのやってみりゃ一発でわかるよ! という事が沢山本になっているような気がする。 普通、苦労して1年とか2年とかかけて身につけるようなコツが本に書かれている。 要するに、「自転車で転ばないようにするためには、右に倒れそうになったら右に、左に倒れそうになったら左にハンドルを切りましょう。」と書いてある本を読むことにどれぐらい意義があるのだろうか、ということがいいたい。 そんなものはやってみないと出来ないし、どだい、やっていればわかることだ。 だが、そういう本がいかに多いことか、と思う。

本当に理論的な本って言うのは、もっと実践で使える物だ。

「自転車でバランスを取る時に一番大切なのは、腰の位置と角度、それと頭の位置と向きの関係です。 自転車を操作している間は、ここに最大限の集中力を注ぎましょう。これは、MotoGPでもBMXでも同じです。」 というような事が書いてある本は、貴重だ。 これをしれば、あらゆる問題に対処する事ができる、というようなことがかいてある本だ。

でも、まぁ日本というのは、経験する前にテストがあるので、テストに合格しないと経験できない、というような、タマゴが先かニワトリか、というような非常に矛盾した状況にあると僕は思う。

正直、僕は、TOEICは600点行ってない。 でも、英語を使って、仕事や約束もあわせて、ちゃんとコミュニケーションは取れる。 話題にも入っていける。

それは、なんなのか。

大使館とか行くと、異様にタイ語が話せる日本人が居るけど、絶対タイ人とうまくコミュニケーション取れてないと思う。 だって。 あんな高圧な話し方したら、普通引かれるって。

ラオスで異様に日本語のうまい人と話したことがあるのだけど、あまり仲良くならなかった事を思い出す。 会ったら「今日は暑いですね」って言われた。「ラオスは毎日暑いですよ!」って言おうと思ったけど、何も言わない決心をした。

確かに日本の挨拶を知り抜いているけど、それじゃ、語学が出来てもいかんと思う。


そういえば、こういう話があった。

ある西洋人がタイで病気になって、外国滞在の不安の中、病院に行ったのだそうだ。 医者は当然タイ人だった。 タイ人の医者はあうなり、いきなり「あなたタイ語大丈夫ですか?」と聞いて来たんだそうだ。 「うわ! そんなのムリ!」と思った次の瞬間、英語で「大丈夫!僕は英語はなせますから!ご心配なく!」と言ったとか...。

それで一気にリラックスムードになって楽しく治療してもらったとか。

もちろん、恐らくは、その先生、タイ語なまりの正しくない英語だったのだと思うけど、これこそが、上手な英語じゃないだろうか。



コメント一覧
ジャコビ   2007年06月10日 02:52
長くても、おかあつさんの日記を読むのは好きです。(プログラミング関係のはさっぱり分かりませんが。)よけいな物をごてごて付けずにありのままで生きてらっしゃるせいか、読んでいて清涼感のようなものを覚えます。

言葉は生き物ですね。
かつお   2007年06月10日 07:25
これだけは言えますが、日本人がタイ語を習得するより、タイ人が日本語を習得するほうがはるかに困難です。会話くらいなら大丈夫だろうけど、日本での生活を考えて、読み・書きができるようにするには語学学校に通わせるのが一番早い。僕の友達はラオ人を日本語学校に1年ほど通わせてました。日本語って、世界的に見ても難しい言語だと思います。何故なら、表記は4種類(ヒラガナ・カタカナ・漢字・ローマ字)あるし、漢字も3000字くらいは覚えないと、日常生活を送るのは難しいでしょう。漢字語圏以外の人が漢字を覚えるのは、相当大変だそうです。我々日本人も小学校からずっと苦労して日本語覚えてきたでしょ。一方、タイ語ってローマ字みたいなもんだから、母音と子音を覚えるだけで、読み書きはできるでしょ。会話も声調にさへ気をつければ、文法なんて適当でも通じるし(そのへんは日本語と同じか)。一番問題なのは習う本人のやる気の問題。僕もラオスでは、ラオ人が日本語習いたいというから教えたけど、すぐに飽きたようです。日本へ留学させるときには相当教えたけど、忙しいとか言い訳言って、あんまり勉強しなかった。これでは試験に合格するはずがない。タイでも企業で働いてる日本語ペラペラな人は、たいがい華僑とか。暗くなる話題でしたが、おかあつさんが、愛情と根気をもって教えれば3年くらいで習得できるかも。あと、タイは日本語のテキストが豊富で、しかも安いから買うことをおすすめします。会話ならDVDが良いでしょう。最後に携帯からなので、改行メチャクチャで読みにくいと思います。すいません。
ガクムラ   2007年06月10日 11:12
おかえり!おかあつさん。
ゆっくり日本を日本の本屋を楽しんでください。
みにまゆ   2007年06月10日 14:21
もう帰っていたんですね~
確かに文法めちゃくちゃでも通じますね~
ひとつの単語を言っても発音が微妙に通じないので
単語並べたらわかってくれますもんね~。
タイ語学校に行きたいですが、研修がめちゃくちゃハードなので
8月とかから行ければいいなと思ってます!!!
なのでもしお会いしたら日本語で話してくださいね☆
では日本を楽しんできてください♪
 
出展 2007年06月10日01:52 『日本語を教える』

著者オカアツシについて


小学生の頃からプログラミングが趣味。都内でジャズギタリストからプログラマに転身。プログラマをやめて、ラオス国境周辺で語学武者修行。12年に渡る辺境での放浪生活から生還し、都内でジャズギタリストとしてリベンジ中 ─── そういう僕が気付いた『言語と音楽』の不思議な関係についてご紹介します。

特技は、即興演奏・作曲家・エッセイスト・言語研究者・コンピュータープログラマ・話せる言語・ラオ語・タイ語(東北イサーン方言)・中国語・英語/使えるシステム/PostgreSQL 15 / React.js / Node.js 等々




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