ブラウザの極限を試してガッテン2
2006年07月28日16:37
これでIE7がシステム開発者の予想以上の急激な速度で普及する事が確実になりました。 それによって現在一番普及度の高いIE6用、特にIEの非標準機能に依存したアプリケーションは動かなくなる公算が高くなってしまいました。
これにより、開発会社は、コストがかかる割りにお金にならないの仕事を大量に強いられる事になります。 これにより激怒するデベロッパーやユーザーは少なくない事と思います。
このようなコストは潜在的に価格の高騰という形でユーザーに跳ね返ります。 ユーザーも、AJAXの様な、非標準機能を活用したアプリケーションの開発が、社会全体で見ると有害であるという事を認識する必要があるのでは無いでしょうか。
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非標準機能に依存したアプリケーションは、AJAXという言葉で検索するとたくさん見つけることが出来ます。 特別なソフトをインストールすることなく、どこでも手軽に使える便利なツールが作れるドラスティックな技術として、たくさん見つけることが出来ます。
しかし、この技術を使ってソフトを開発するのは、大変な労力と時間が必要で、後々厄介な問題を引き起こすと私は考えています。 これは、たとえるならば、ネジとネジ穴のような関係ではないでしょうか。
ネジとネジ穴は、同じ大きさでなければ使うことができません。しかし、ネジの大きさには「インチサイズ」と「ミリサイズ」の二種類があるのをご存知でしょうか。ミリサイズのネジとインチサイズのネジには互換性がなく、間違えてミリサイズのネジをインチサイズのネジ穴に使ってしまうと、ウケ側のねじ山が切れてしまいます。
これは結構面倒な問題で、外国から機械を輸入して本格的に運用しているさなか、いざ問題が発生して修理しようとするとネジがあわずに修理できなかったりします。
ネジのサイズは高々二種類しかありませんが、もしこれが、尺・インチ・センチ... と多くの種類あったらどうでしょうか。簡単な修理ですら、大変な労力と時間とお金が必要になってしまいます。 また、そんなネジを使って機械を作ったらどうなるでしょうか。そのネジが生産中止になってしまう事を考えます。 その機械を運用するに当たって、さまざまな障害を引き起こす事が考えられます。
だからこそ、ネジの大きさには規格(スタンダード)が決められているのではないでしょうか。
スタンダードというのはとても大切な要素だと私は思います。スタンダードがあるからこそ、その辺のコンビニの掃除機用の袋を買っても自宅の掃除機に取り付けることが出来ます。 スタンダードがあるからこそ、コンセントに掃除機のプラグを挿す事が出来ます。スタンダードがあるからこそ、ビデオとテレビを簡単につなぐ事が出来ます。スタンダードがあるからこそ、ビックカメラで電話機を買ってきても自宅の電話線につなぐ事が出来ます。
このように物事にスタンダードが定められている事はとても大切な事です。 スタンダードがきちんと定められているおかげで種類が1~2に限定され、おかげで利用者は安価な部品や消耗品を簡単に入手する事が出来ます。
プログラムの世界では、ウェブブラウザが、そのネジにあたります。 プログラムの基盤となるとても大切な要素です。ところが、インターネットブラウザは、規格に従って作られていない場合が多いのです。つまり、インターネットブラウザには、それこそ無数のネジの種類があるのと同じ状況です。
これが、何故、そんなに深刻な問題なのでしょうか。それは、プログラムの世界では、ネジをごっそり引き抜いて、全部差し替えるようなことが、実際に起こってしまうからです。ネジをごっそり引き抜いて、差し替える際、大きさが違うネジを使ってプログラムが壊れてしまうという事が、実際に起こります。
プログラム作者は、どこの部品でどのネジが問題を引き起こすのかを調査して一覧化する必要があります。ネジの数は膨大であり、とても時間のかかる作業です。 1年や2年で完了する作業ではありません。しかも、一般的に流通しているネジの種類が変わるたびに行う必要があります。 更に、これを、管理しているシステム毎に行う必要があります。これは、有限の時間で完了できる作業では無い、と私は思います。 (プログラムを組んでいると、こういう作業に出会う事は良くあります。そういう作業が発生することがない様に全体の方向性をコントロールすることが大切です。)
私は、高々ネジごときで、これだけの時間を割くのが必要なのか、と良く感じます。 本来であればネジのスタンダードをきちんと定める事が先決では無いでしょうか。 しかし、ネジのスタンダードは遅々として進んでいないのが現状です。
ところが、近頃、若いプログラマの間で、「ブラウザの機能を極限まで利用する」という言葉が流行っています。それは、現状で流通しているネジに特化してプログラムを組んでみようという発想です。確かに、現状流通しているネジは非標準とはいえ非常に高性能であり、さまざまなアプリケーションを作ることは実際に可能です。しかし、この悪夢のネジ総交換の発生を予想すれば危険な行為と言わざるを得ません。私は、単刀直入に申してしまえば、彼らには互換性の大切さが理解できていないのではないかと感じることが少なくありません。
今回のこのニュースは、この例を用いて説明すれば、「マイクロソフトが、新しい大きさのネジへの交換を強制し、旧ネジは自動的に破棄されます。」というニュースと等しいといえるのではないでしょうか。未熟なプログラマは、ネジの交換が発生するとき、旧ネジのストックを貯めておいてプログラムの延命措置を取るという妥協案を好みますが、このニュースは、上ったはしごをはずされてしまった形といえます。
プログラマはこのようなことをあらかじめ予想して、問題が発生する前に対策を立てておく必要があるのではないでしょうか。また、ユーザーに対しても、利用する技術の寿命をあらかじめ伝え、寿命の短い技術を利用するリスクの説明にこれ努める必要があるのでは無いかと私は思います。
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IE7は優先度の高い自動更新で配布
http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=65647&media_id=19
IE7は優先度の高い自動更新で配布
(Impress Watch - 07月27日 15:40)
Internet Explorer 7(IE7)は優先度の高い自動更新として配布されることが決定した。IE公式ブログで26日、明らかにされた。
それによると2006年第4四半期(10月~12月)にWindows XP用のIE7の最終バージョンがリリースされてから間もなく、IE7が優先度の高い自動更新として配布されることが決定したという。
その理由として、IE7には新たに開発されたフィッシングフィルター機能とそのサービスの提供、ActiveXインストール方法の改善など、危険なソフトや詐欺サイトからユーザーを守るためのセキュリティ機能とアーキテクチャが大幅に強化されたことを理由として挙げた。そのため Microsoftでは、Windowsの正規ユーザーはぜひともIE7をインストールする必要があると考えている。
自動更新を利用しているユーザーはIE7がインストールする準備ができた時に通知を目にすることになる。その際、「インストールする」「インストールしない」「後で通知する」からインストールの意志を選択できる。そのほかにWindows UpdateやMicrosoft Updateサイトで「高速」スキャンを行ない、優先度の高い更新を探すことによってIE7をインストールすることができる。Microsoft Download Centerから直接ダウンロードすることも可能だ。
IE7をインストールした場合、現在使用しているツールバー、ホームページ、検索設定、お気に入り情報はそのまま維持される。また、コントロールパネルのプログラムの追加と削除メニューからIE7を削除し、いつでも以前のIE6に戻ることが可能だ。
企業でIE7の自動更新を望まない場合のために「Blocker Toolkit」が配布される。このツールキットは26日からMicrosoft Download Centerでダウンロードでき、使用有効期限が設けられていない。そのため、いつでも用意ができた時にIE7をインストールするよう設定を変更することができるようになる。
URL
IE公式ブログの該当記事(英文)
http://blogs.msdn.com/ie/archive/2006/07/26/678149.aspx
これにより、開発会社は、コストがかかる割りにお金にならないの仕事を大量に強いられる事になります。 これにより激怒するデベロッパーやユーザーは少なくない事と思います。
このようなコストは潜在的に価格の高騰という形でユーザーに跳ね返ります。 ユーザーも、AJAXの様な、非標準機能を活用したアプリケーションの開発が、社会全体で見ると有害であるという事を認識する必要があるのでは無いでしょうか。
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非標準機能に依存したアプリケーションは、AJAXという言葉で検索するとたくさん見つけることが出来ます。 特別なソフトをインストールすることなく、どこでも手軽に使える便利なツールが作れるドラスティックな技術として、たくさん見つけることが出来ます。
しかし、この技術を使ってソフトを開発するのは、大変な労力と時間が必要で、後々厄介な問題を引き起こすと私は考えています。 これは、たとえるならば、ネジとネジ穴のような関係ではないでしょうか。
ネジとネジ穴は、同じ大きさでなければ使うことができません。しかし、ネジの大きさには「インチサイズ」と「ミリサイズ」の二種類があるのをご存知でしょうか。ミリサイズのネジとインチサイズのネジには互換性がなく、間違えてミリサイズのネジをインチサイズのネジ穴に使ってしまうと、ウケ側のねじ山が切れてしまいます。
これは結構面倒な問題で、外国から機械を輸入して本格的に運用しているさなか、いざ問題が発生して修理しようとするとネジがあわずに修理できなかったりします。
ネジのサイズは高々二種類しかありませんが、もしこれが、尺・インチ・センチ... と多くの種類あったらどうでしょうか。簡単な修理ですら、大変な労力と時間とお金が必要になってしまいます。 また、そんなネジを使って機械を作ったらどうなるでしょうか。そのネジが生産中止になってしまう事を考えます。 その機械を運用するに当たって、さまざまな障害を引き起こす事が考えられます。
だからこそ、ネジの大きさには規格(スタンダード)が決められているのではないでしょうか。
スタンダードというのはとても大切な要素だと私は思います。スタンダードがあるからこそ、その辺のコンビニの掃除機用の袋を買っても自宅の掃除機に取り付けることが出来ます。 スタンダードがあるからこそ、コンセントに掃除機のプラグを挿す事が出来ます。スタンダードがあるからこそ、ビデオとテレビを簡単につなぐ事が出来ます。スタンダードがあるからこそ、ビックカメラで電話機を買ってきても自宅の電話線につなぐ事が出来ます。
このように物事にスタンダードが定められている事はとても大切な事です。 スタンダードがきちんと定められているおかげで種類が1~2に限定され、おかげで利用者は安価な部品や消耗品を簡単に入手する事が出来ます。
プログラムの世界では、ウェブブラウザが、そのネジにあたります。 プログラムの基盤となるとても大切な要素です。ところが、インターネットブラウザは、規格に従って作られていない場合が多いのです。つまり、インターネットブラウザには、それこそ無数のネジの種類があるのと同じ状況です。
これが、何故、そんなに深刻な問題なのでしょうか。それは、プログラムの世界では、ネジをごっそり引き抜いて、全部差し替えるようなことが、実際に起こってしまうからです。ネジをごっそり引き抜いて、差し替える際、大きさが違うネジを使ってプログラムが壊れてしまうという事が、実際に起こります。
プログラム作者は、どこの部品でどのネジが問題を引き起こすのかを調査して一覧化する必要があります。ネジの数は膨大であり、とても時間のかかる作業です。 1年や2年で完了する作業ではありません。しかも、一般的に流通しているネジの種類が変わるたびに行う必要があります。 更に、これを、管理しているシステム毎に行う必要があります。これは、有限の時間で完了できる作業では無い、と私は思います。 (プログラムを組んでいると、こういう作業に出会う事は良くあります。そういう作業が発生することがない様に全体の方向性をコントロールすることが大切です。)
私は、高々ネジごときで、これだけの時間を割くのが必要なのか、と良く感じます。 本来であればネジのスタンダードをきちんと定める事が先決では無いでしょうか。 しかし、ネジのスタンダードは遅々として進んでいないのが現状です。
ところが、近頃、若いプログラマの間で、「ブラウザの機能を極限まで利用する」という言葉が流行っています。それは、現状で流通しているネジに特化してプログラムを組んでみようという発想です。確かに、現状流通しているネジは非標準とはいえ非常に高性能であり、さまざまなアプリケーションを作ることは実際に可能です。しかし、この悪夢のネジ総交換の発生を予想すれば危険な行為と言わざるを得ません。私は、単刀直入に申してしまえば、彼らには互換性の大切さが理解できていないのではないかと感じることが少なくありません。
今回のこのニュースは、この例を用いて説明すれば、「マイクロソフトが、新しい大きさのネジへの交換を強制し、旧ネジは自動的に破棄されます。」というニュースと等しいといえるのではないでしょうか。未熟なプログラマは、ネジの交換が発生するとき、旧ネジのストックを貯めておいてプログラムの延命措置を取るという妥協案を好みますが、このニュースは、上ったはしごをはずされてしまった形といえます。
プログラマはこのようなことをあらかじめ予想して、問題が発生する前に対策を立てておく必要があるのではないでしょうか。また、ユーザーに対しても、利用する技術の寿命をあらかじめ伝え、寿命の短い技術を利用するリスクの説明にこれ努める必要があるのでは無いかと私は思います。
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IE7は優先度の高い自動更新で配布
http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=65647&media_id=19
IE7は優先度の高い自動更新で配布
(Impress Watch - 07月27日 15:40)
Internet Explorer 7(IE7)は優先度の高い自動更新として配布されることが決定した。IE公式ブログで26日、明らかにされた。
それによると2006年第4四半期(10月~12月)にWindows XP用のIE7の最終バージョンがリリースされてから間もなく、IE7が優先度の高い自動更新として配布されることが決定したという。
その理由として、IE7には新たに開発されたフィッシングフィルター機能とそのサービスの提供、ActiveXインストール方法の改善など、危険なソフトや詐欺サイトからユーザーを守るためのセキュリティ機能とアーキテクチャが大幅に強化されたことを理由として挙げた。そのため Microsoftでは、Windowsの正規ユーザーはぜひともIE7をインストールする必要があると考えている。
自動更新を利用しているユーザーはIE7がインストールする準備ができた時に通知を目にすることになる。その際、「インストールする」「インストールしない」「後で通知する」からインストールの意志を選択できる。そのほかにWindows UpdateやMicrosoft Updateサイトで「高速」スキャンを行ない、優先度の高い更新を探すことによってIE7をインストールすることができる。Microsoft Download Centerから直接ダウンロードすることも可能だ。
IE7をインストールした場合、現在使用しているツールバー、ホームページ、検索設定、お気に入り情報はそのまま維持される。また、コントロールパネルのプログラムの追加と削除メニューからIE7を削除し、いつでも以前のIE6に戻ることが可能だ。
企業でIE7の自動更新を望まない場合のために「Blocker Toolkit」が配布される。このツールキットは26日からMicrosoft Download Centerでダウンロードでき、使用有効期限が設けられていない。そのため、いつでも用意ができた時にIE7をインストールするよう設定を変更することができるようになる。
URL
IE公式ブログの該当記事(英文)
http://blogs.msdn.com/ie/archive/2006/07/26/678149.aspx
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