オリオン・クエストのマニュアル
2006年06月27日19:12
25年程前、アスキーからパソコンゲーム「オリオン・クエスト」というゲームパックが発売されていました。 このゲームは、今でも私の大好きなゲームの一つです。 先日、パソコンのファイルを整理していたらマニュアルが出てきたのですが、久しぶりに読んだマニュアルの冒頭には、このようなことが書いてありました。
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PC-6001は1981年秋、NEC(日本電気、新日本電気)より発売されたパーソナルコンピュータです。愛称”パピコン”で知られている低価格マシンながら、グラフィックス、およびサウンドの両機能においては、兄貴分として1979年に発売されたPC-8001よりも優れていると言っても過言ではありません。
本書は、このPC-6001のためのアミューズメントソフトウェアパッケージ、”AXシリーズ”の第5巻です。 本書に収録されているゲーム・プログラムは、いずれもPC-6001の機能を十分に生かすように、画面構成、ストーリィ、そして操作性に創意工夫をこらしました。 全てのプログラムは、付属のカセットテープに収録してありますので、すぐに実行する事が可能です。
また、このマニュアルには、各プログラムの豊富な説明と見やすいプログラムリストを掲載してありますので、本来の用途以外にも、リストや解説の中から有益な知識や情報、オリジナル・プログラム作成へのヒントが得られることでしょう。
単に使用するのみにとどまらず、是非プログラムの解析、変更、改良を試み、皆様のパーソナル・コンピューティング・ライフをより一層充実した楽しいものにしてください。
本書は、アスキー出版が自信を持って、PC-6001ユーザーの皆様にお届けできるものであり、また、皆様にも十分満足していただけるものと確信しております。
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このゲームは、NECのPC-6001というパソコン用のゲームでした。 まだ、「パソコン」という言葉が出たばかりで、今の様な高機能ではありませんでした。 ようやく個人でも入手できる値段のコンピューターが発売された、という事自体が重要な時代時代のパソコンのはなしであり、とても低機能でした。
PC-6001はメモリ(当時はメモリと言わずRAMといいました)はたったの16KBで、本体脇の巨大なスロットに差し込める16KB増設RAMは1万円以上しました。 グラフィックRAMはCPUがアクセスできるRAMと兼用でした。 今のPCの速度にしたら1Mhzにも達しない低速CPUで、 グラフィック解像度は256x192 2色でした。 グラフィック処理は、塗りつぶし処理がじわりと塗りつぶされる様を観察できる程遅いものでした。
そんな時代に作られた超高速三次元シューティングゲームがオリオンでした。 クエストは当時まだ珍しかった三次元迷路でした。
家庭用テレビに接続可能なパソコンならでは工夫が散見されました。 例えば、家庭用の低解像度テレビでは、細かい線を描画すると、どうしても色滲みが発生してしまい、白い線が青く見えたり赤く見えたりしたものでした。 ところが、オリオン・クエストでは、この不具合を逆に有効利用してしまい、パソコンの機能を超えた全4色を発色して描画するというテクニックを利用していました。 当時の私には、奇想天外な印象を与えました。 正に「骨の髄までしゃぶり尽くす」コーディングテクニックというような、凄まじい印象を持った事を思い出します。
今では全く考えられない事ですが、ゲームを購入すると、付録マニュアルにはプログラムのソースコードリスト(当時は逆アセンブルリスト等と呼ばれたものです)が添付されており、各ルーチンの解説まで付いていました。 そのソースコードのテクニックはとてもすばらしいもので、当時8歳だった私の理解は到底超えていましたが、その創意工夫のすごさだけは伝わってきました。
こういう文化に小さい頃から日常的に触れてきた私は、今でも、プログラミングというものは、こうでなければいけないという強力なイメージが焼き付いています。
この時代から20年以上たち、今では、プログラミングという仕事は特殊な物ではなくなりました。
しかし、私は、このようなすばらしい仕事をするプログラマは、今はどこでどうしているのだろうなと、思う事があります。
少なくとも私だけは、出来る限り、そうありたいなと思います。
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PC-6001は1981年秋、NEC(日本電気、新日本電気)より発売されたパーソナルコンピュータです。愛称”パピコン”で知られている低価格マシンながら、グラフィックス、およびサウンドの両機能においては、兄貴分として1979年に発売されたPC-8001よりも優れていると言っても過言ではありません。
本書は、このPC-6001のためのアミューズメントソフトウェアパッケージ、”AXシリーズ”の第5巻です。 本書に収録されているゲーム・プログラムは、いずれもPC-6001の機能を十分に生かすように、画面構成、ストーリィ、そして操作性に創意工夫をこらしました。 全てのプログラムは、付属のカセットテープに収録してありますので、すぐに実行する事が可能です。
また、このマニュアルには、各プログラムの豊富な説明と見やすいプログラムリストを掲載してありますので、本来の用途以外にも、リストや解説の中から有益な知識や情報、オリジナル・プログラム作成へのヒントが得られることでしょう。
単に使用するのみにとどまらず、是非プログラムの解析、変更、改良を試み、皆様のパーソナル・コンピューティング・ライフをより一層充実した楽しいものにしてください。
本書は、アスキー出版が自信を持って、PC-6001ユーザーの皆様にお届けできるものであり、また、皆様にも十分満足していただけるものと確信しております。
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このゲームは、NECのPC-6001というパソコン用のゲームでした。 まだ、「パソコン」という言葉が出たばかりで、今の様な高機能ではありませんでした。 ようやく個人でも入手できる値段のコンピューターが発売された、という事自体が重要な時代時代のパソコンのはなしであり、とても低機能でした。
PC-6001はメモリ(当時はメモリと言わずRAMといいました)はたったの16KBで、本体脇の巨大なスロットに差し込める16KB増設RAMは1万円以上しました。 グラフィックRAMはCPUがアクセスできるRAMと兼用でした。 今のPCの速度にしたら1Mhzにも達しない低速CPUで、 グラフィック解像度は256x192 2色でした。 グラフィック処理は、塗りつぶし処理がじわりと塗りつぶされる様を観察できる程遅いものでした。
そんな時代に作られた超高速三次元シューティングゲームがオリオンでした。 クエストは当時まだ珍しかった三次元迷路でした。
家庭用テレビに接続可能なパソコンならでは工夫が散見されました。 例えば、家庭用の低解像度テレビでは、細かい線を描画すると、どうしても色滲みが発生してしまい、白い線が青く見えたり赤く見えたりしたものでした。 ところが、オリオン・クエストでは、この不具合を逆に有効利用してしまい、パソコンの機能を超えた全4色を発色して描画するというテクニックを利用していました。 当時の私には、奇想天外な印象を与えました。 正に「骨の髄までしゃぶり尽くす」コーディングテクニックというような、凄まじい印象を持った事を思い出します。
今では全く考えられない事ですが、ゲームを購入すると、付録マニュアルにはプログラムのソースコードリスト(当時は逆アセンブルリスト等と呼ばれたものです)が添付されており、各ルーチンの解説まで付いていました。 そのソースコードのテクニックはとてもすばらしいもので、当時8歳だった私の理解は到底超えていましたが、その創意工夫のすごさだけは伝わってきました。
こういう文化に小さい頃から日常的に触れてきた私は、今でも、プログラミングというものは、こうでなければいけないという強力なイメージが焼き付いています。
この時代から20年以上たち、今では、プログラミングという仕事は特殊な物ではなくなりました。
しかし、私は、このようなすばらしい仕事をするプログラマは、今はどこでどうしているのだろうなと、思う事があります。
少なくとも私だけは、出来る限り、そうありたいなと思います。
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