音楽聴覚ツール と 音楽販売ツール
2005年09月21日16:52
この間、日本在住10年以上で日本語が非常に堪能なJさんとこういうことを話した。
僕は、日本人は独創性を育む環境がない。 例えばソフトウェア業界などは一部を除いて地に落ちている。 音楽もそうだ。 だが、それは全てではない。 一例を挙げれば、自動車産業などは非常に独自の哲学を打ち出したすばらしい車がある。
彼は、一言こういった。 「お金を儲けるという明確な目標があるからじゃないですか」 僕は、この言葉を聞いてピンときた。
車産業などは 最終目標として「車をたくさん売る」というものが有るはずだ。 だから、その目標の達成方法を極めていくと最終的に快適さに哲学を持った壊れにくく燃費がよい車を作る、という境地にたどり着くのではないか。
じゃフェラーリはどうなのよ、という話なのだ。フェラーリはほとんど台数は売っていない。 では、成功していないかといえば、そうではない。 すばらしい車を多く輩出しており、評価も高い。 大金持ちが大金を払ってでも買いたいと思う車がそこにはある。 名門フェラーリなおほしいままにする。 会社としてはリスクが高いかもしれないが、それでも作る。
日本にはフェラーリの様なメーカーはない。またはメジャーではない。
日本はそうではなく、台数を売る=儲かるという最終目標を極めた結果なのだ。
これは日本の色々な産業をうまく説明できるのではないか。
今日、ブラブラと歩いていたら 店頭に iPodNanoが飾ってあるのを見た。何気なく少し触ってみた。 触っているだけでも心地よい。 僕は既にiPodPhotoの60Gを持っており 買う必要はない。 だが、思わず意味もなく欲しくなってしまう。 SONY製のプレーヤーなど 有り得ない。
iPod/iTunesを見ていると思うことがある。 ああ、これは音楽を聴く人が自分の為に作った機械なのだなと、感じるのだ。 何故それを感じるのかよく考えてみる。はっきりは解らないのだが ... こまかな機能の一つ一つが 音楽を聴く人でなければ気が付かないようなことの解決策になっていることがある。
例えば、iPodは 演奏中ヘッドフォンジャックが抜けると 自動的に一時停止になる。 これは、音楽を聴く人でなければ気が付かない機能だ。 歩いている時 うっかりヘッドフォンジャックが抜けてしまう、ということは良くあることなのだ。 すると、ジャックを持ってもう一度さすまでの時間を聞き逃してしまうことになる。
これは、 音楽を愛していない人は見逃すことだが、音楽を愛している人にとっては非常に大問題なのだ。 その大問題にiPodは解決策を与えている。
iPod関連製品は全部が全部 その調子なのだ。 音楽を聴く人が困る問題の解決策になっている。 だから、iPod以外にはありえない。
そこに来ると、Sonyは違う。Sony製MP3プレーヤは、使っていると レコード会社が金儲けをし易い様に考えて作られたプレーヤーだということを、否が応でも思い知らされる。 レコード会社の不利益になる機能の一切は省かれている、またはプロテクトされている。
Sony製品は自分で録音したデータを自由にコピーできなかったり、そもそも録音自体出来なくなっていたりするのは、その典型だ。
それだけではない。音楽を聴く文脈が固定されているのも大きな特徴だ。あくまでも、レコード会社が自社のアーティストの尊敬を集めるために、どのような文脈で見せるのが一番効率がよいのかを考え、 それを上手にコントロールするための機能が多く実装されている。
音楽を聴く文脈は、インターネット時代である現代では、使う人が自由に決めることなのである。 現代では、文脈を規定するというのは時代錯誤であるのだ。(このことはいつか違う文章で触れたい)
Sonyは それにいつになったら気が付くのだろうか。
そう。Sony製のプレーヤーは 明らかに お金を儲けるためのツールとして作られている。 だが、自動車業界とは違って失敗している。それは、何故なのだろうか。
この事については次号で詳細に触れてみたい。
---------
P.S.
もちろん、この説明「金儲け理論」は アニメなどの件は説明出来ない。 日本には 手塚治虫 宮崎駿を始めとして多くの天才がいる。 彼らが金儲けを最終目標に据えてマンガアニメを作っていたとは到底思えない。 本当にクリエイティブな人だけが持っている感覚「創造の為の創造的感覚」を駆使しているのではないだろうか。
また、自動車産業でも、日本の自動車/オートバイの パーツメーカーは かなり 独創性/クオリティー 共に高いメーカーが多く、国際的にも評価が高い。
(アメリカにいるときユーゾーとかヨシムラとか書いてあるパーツをつけたバイクが多かったのには驚いた)
僕は、日本人は独創性を育む環境がない。 例えばソフトウェア業界などは一部を除いて地に落ちている。 音楽もそうだ。 だが、それは全てではない。 一例を挙げれば、自動車産業などは非常に独自の哲学を打ち出したすばらしい車がある。
彼は、一言こういった。 「お金を儲けるという明確な目標があるからじゃないですか」 僕は、この言葉を聞いてピンときた。
車産業などは 最終目標として「車をたくさん売る」というものが有るはずだ。 だから、その目標の達成方法を極めていくと最終的に快適さに哲学を持った壊れにくく燃費がよい車を作る、という境地にたどり着くのではないか。
じゃフェラーリはどうなのよ、という話なのだ。フェラーリはほとんど台数は売っていない。 では、成功していないかといえば、そうではない。 すばらしい車を多く輩出しており、評価も高い。 大金持ちが大金を払ってでも買いたいと思う車がそこにはある。 名門フェラーリなおほしいままにする。 会社としてはリスクが高いかもしれないが、それでも作る。
日本にはフェラーリの様なメーカーはない。またはメジャーではない。
日本はそうではなく、台数を売る=儲かるという最終目標を極めた結果なのだ。
これは日本の色々な産業をうまく説明できるのではないか。
今日、ブラブラと歩いていたら 店頭に iPodNanoが飾ってあるのを見た。何気なく少し触ってみた。 触っているだけでも心地よい。 僕は既にiPodPhotoの60Gを持っており 買う必要はない。 だが、思わず意味もなく欲しくなってしまう。 SONY製のプレーヤーなど 有り得ない。
iPod/iTunesを見ていると思うことがある。 ああ、これは音楽を聴く人が自分の為に作った機械なのだなと、感じるのだ。 何故それを感じるのかよく考えてみる。はっきりは解らないのだが ... こまかな機能の一つ一つが 音楽を聴く人でなければ気が付かないようなことの解決策になっていることがある。
例えば、iPodは 演奏中ヘッドフォンジャックが抜けると 自動的に一時停止になる。 これは、音楽を聴く人でなければ気が付かない機能だ。 歩いている時 うっかりヘッドフォンジャックが抜けてしまう、ということは良くあることなのだ。 すると、ジャックを持ってもう一度さすまでの時間を聞き逃してしまうことになる。
これは、 音楽を愛していない人は見逃すことだが、音楽を愛している人にとっては非常に大問題なのだ。 その大問題にiPodは解決策を与えている。
iPod関連製品は全部が全部 その調子なのだ。 音楽を聴く人が困る問題の解決策になっている。 だから、iPod以外にはありえない。
そこに来ると、Sonyは違う。Sony製MP3プレーヤは、使っていると レコード会社が金儲けをし易い様に考えて作られたプレーヤーだということを、否が応でも思い知らされる。 レコード会社の不利益になる機能の一切は省かれている、またはプロテクトされている。
Sony製品は自分で録音したデータを自由にコピーできなかったり、そもそも録音自体出来なくなっていたりするのは、その典型だ。
それだけではない。音楽を聴く文脈が固定されているのも大きな特徴だ。あくまでも、レコード会社が自社のアーティストの尊敬を集めるために、どのような文脈で見せるのが一番効率がよいのかを考え、 それを上手にコントロールするための機能が多く実装されている。
音楽を聴く文脈は、インターネット時代である現代では、使う人が自由に決めることなのである。 現代では、文脈を規定するというのは時代錯誤であるのだ。(このことはいつか違う文章で触れたい)
Sonyは それにいつになったら気が付くのだろうか。
そう。Sony製のプレーヤーは 明らかに お金を儲けるためのツールとして作られている。 だが、自動車業界とは違って失敗している。それは、何故なのだろうか。
この事については次号で詳細に触れてみたい。
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P.S.
もちろん、この説明「金儲け理論」は アニメなどの件は説明出来ない。 日本には 手塚治虫 宮崎駿を始めとして多くの天才がいる。 彼らが金儲けを最終目標に据えてマンガアニメを作っていたとは到底思えない。 本当にクリエイティブな人だけが持っている感覚「創造の為の創造的感覚」を駆使しているのではないだろうか。
また、自動車産業でも、日本の自動車/オートバイの パーツメーカーは かなり 独創性/クオリティー 共に高いメーカーが多く、国際的にも評価が高い。
(アメリカにいるときユーゾーとかヨシムラとか書いてあるパーツをつけたバイクが多かったのには驚いた)
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