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2012年3月31日土曜日

ラオ語メモ「発音変化 (ヨーとニョー)」 (oka01-fnnbspfpujyuzaep)

筆者はある日、タイ語の2つの文字 ย(鬼のヨー)とญ(女性のヨー)そして、ラオ語の2つの文字 ຍ(蚊のニョー)とຢ(薬のヨー)について、面白い事に気がついた。この筆者が気付いた事について簡単にメモとしてまとめてみた。

タイ語にもラオ語にも、ヤ行の発音を表す文字は2つある。タイ語には ย(鬼のヨー)とญ(女性のヨー)の二つ、ラオ語には、ຍ(蚊のニョー)とຢ(薬のヨー)の二つ、それぞれ持っている。タイ語のย/ญは、かつて発音が分かれていただそうだが、現在では完全に同じになってしまっている。一方ラオ語の ຍ/ຢは今でも分かれている。タイ語の単語とラオ語の単語を比べて見てみると、タイ語のญ(女性のヨー)とຍ(蚊のニョー)には、関連性が見える。 例えばタイ語で日本はญี่ปุ่น(イープン)とタイ語のญ(女性のヨー)を使って綴る。これをラオ語ではຍີ່ປຸ່ນとຍ(蚊のニョー)をつかって綴り、発音もニープンに変化する。

この変化は常に発生する訳ではなく、かなりの頻度で入れ替わりが見られる。例えば、頑張る=パヤヤームという言葉がそうだ。先日ツイッターで「ラオ語のガンバレをパニャニャンダーという」という話が流行していた。この単語はタイ語でพยายามと書きパヤヤームと読む。ラオ語では ພະຍາຍາມ と書き、ญ(女性のヨー)を使っていないのに、パニャニャームと発音が変化する。(※語尾のダーは語気助詞で、意味は日本語とほぼ同じ。)

ここに、言葉が本質的に持っている独特のゆれが現れており、とても面白い。

今日面白い事に気がついた。 パヨーット(意味・栄養)は タイ語で ประโยชน์ 綴るが、ラオ語では ປະໂຫຍດ と綴る。パヨーット ໂຢດ(ຢ中子音字ヨーヤー) ではなく、 ໂຫຍດ(ຍ低子音字ヨーニュン&ホーナムで高子音字化)  してパニョーットと書く。 タイでのモーラムヒット曲のダオマハアライで「大学出ても意味がねぇ・家に帰っても意味がねぇ」(パイリアンカボミパヨーット・マユバーンカボミーパヨーット)とオバチャンが絶叫する曲がある。ここでのパヨーットは、「パニョーット」ではなく、ヨーヤーで「パヨーット」と発音してる。こラオの標準に近いビエンチャンでは、どうだろうか。どうもヨーヤーのほうがよく耳にする様な気がする。


上記の様に、ラオスの標準語として正しく定められた発音に、ビエンチャンで実際に使われている言葉の実情が一致しなくなっているという例が無数にある。多くはタイ語の影響だと考えられる。

発音変化は、テレビと標準語の切っても切れない関係にある。標準語というものは、魅力的なテレビ番組に国民が釘付けになっているからこそ安定する存在だ。ラオの首都ビエンチャンの様に魅力的なテレビ番組を持たないと、言葉は思い思いに変化してしまう。 ビエンチャンどころかラオスの国民は全員、タイのテレビ番組に釘付けになっている。だから発音がどんどんタイ語に引っ張られて変化してしまう。ラオの国営放送が話している由緒正しいビエンチャン標準語で話す頑固者など居ない。

但し、引っ張られはしても、完全にタイ語化することは絶対にありえないところが、ミーハーな様でいて、実は中身は非常に頑固なラオ人の性格がよく出ているというべきか。

筆者おかあつが住んでいる、タイ東北の深部・ラオ国境と近い田舎街であるウドンタニーに居ると、時折ものすごくタイ語の流暢な団体様に出会う事がある。ラオの超田舎から来たラオ人だ。ラオの首都ビエンチャンよりもタイの田舎町ウドンタニーの方が発展していることなど、誰でも知っている事だ。(誰も口にはしないが。)

彼らは街に憧れ国境を超えてウドンタニーにやってくる。テレビを見て覚えた綺麗なタイ語を使いたくて見せびらかしたくて仕方がない彼ら。しかしそんな彼らも努力空しく、ウドンタニーの人からは、その流暢過ぎるタイ語から逆にラオ人とバレてしまう。そんな恐怖の田舎パラドックス。 ウドンタニーでタイ語を話す人は、往々にして出身民族による独特な特徴を持った訛りを持っている事が一般的だ。それをわざわざ隠すということは、ラオ人以外にありえない。綺麗なタイ語を話す人は、都会に憧れたラオ人しかいないのである。その綺麗過ぎるタイ語から逆に普段コテコテのラオ語を話している姿がイメージされてしまう。もとより、この深イサーンのこの辺りにバンコクから来たネイティブのタイ人がうろついていることなどありえない。ラオ語をネイティブで話す者にとって、タイ語は飽くまでも外国語と言える。

標準がなく人によって発音がまちまちなラオ語。まるで方言の塊のようである。発音がバラバラなラオ語で、何故ラオ人同士がコミュニケーション取る事が出来るのだろうか。これは筆者おかあつが、もっとも興味を持っている点である。追々書いていこうと思う。

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